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02
 

 欲しかった服を手に入れてご機嫌な夏樹さんと昼飯にと選んだパスタ屋に入って、注文したパスタに舌鼓を打っていた時。
 さっきより笑顔で、というかニヤニヤしながら夏樹さんが見てきた。
 なにこわいこの人。


「そういえば、友達増えたんだって?」
「え、なんで知ってんの」


 最近まったく会わなかったし連絡も取ってなかったのに。
 すると目の前の美人が得意気に、ふふん、と笑った。


「伊織君から聞いたー」
「……へえ」


 幼馴染みと夏樹さんは仲が良いし、というか相談役みたいなものだし、連絡先はずいぶん前から知っているわけだけど。
 なにその報告。初耳なんですけど。


「この間、遊びに行ったってプリの写メ来てさぁ」
「え、ちょ、どれ」
「これー」


 そう言って見せてくれたのは、多貴と伊織が前で俺が瀬戸に寄りかかってるやつだった。
 なぜこのチョイス。


「不良っぽい子とサッカー少年っぽい子?タイプ真逆だよね」
「…確かに」


 言われて改めて気付いた。
 俺の中では瀬戸は不良擬きであって、客観的に見ればがっつり不良なんだけど、なんかもうね、うん。


「不良っつってもこいつ頭いいよ」
「そうなの?」
「この間の中間、学年八位だったし」
「へぇ、人は見かけによらないもんね」


 ほんとにな。
 マジマジと携帯に写っているであろうプリを眺める夏樹さん。


「類は友を呼ぶわね。みんなイケメンだわ…」
「面食い」
「うっさいわよ」


 人間みんな美形が好きなの!と意味のわからない事を言われた。
 意味のわからない、わけじゃねぇけど、類は友を呼ぶってなんだよ。


「みんなイケメン過ぎてつらい」
「なに言ってんのアンタ」


 これだから無自覚は…、とさっきより意味不明な事を呟かれ、ついでに溜め息も吐かれた。
 ちょっといくら俺でも傷付くんだけど。


「今度連れてきてよー、みんなでご飯食べよう」
「生で見たいだけだろイケメン」
「一度は見ないと」


 そんな真面目な顔で言わないでください。

 


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