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従姉の情報網。‐01
 

 痛いほどの日差しが照りつける、真夏の暑さ全開の8月。課題も片付いて、あとはもうやりたい放題の日々しか残ってない。
 やっぱりやらなきゃならないことを最初に片付けると、遊ぶ気持ちもまったく違うよ。うん。
 幸丸はこんな早く課題が終わったことに感動して、テンションがヤバかった。


 そんな夏休みのとある日。




「ね、これとこっち、どっちがいいと思う?」
「ん?んー、これ」
「じゃ、これにしよ」
「俺に託すなよ」
「いーのいーの」


 そう言って、目の前の美人が満足そうに笑って選ばれなかった方の服を戻しに行った。

 長いブラウンの髪は毛先が緩くカールして、ショートパンツから出る白くて細い足に道行く男の目が釘付けになり、更に薄く化粧をしたその顔にも釘付けになっているのを昔から慣れるほど見てきた。

 モデルのような体型と容姿に、でもモデルじゃない一般社会人な従姉が久々に家に来て、叩き起こされ開口一番「デートするぞ!」と言われたのはつい数時間前だ。



「やーっぱ諒と買い物するとサクサク進んで良いわあ」


 何着か気に入った(殆ど俺が選ばされた)服を手にレジに向かう夏樹さんに付いていき、会計しているのを横目になんとなく店内を見る。
 レディースファッション専門のここは、付き添いの彼氏を連れた女性客が多い。
 でも夏樹さんが来店してから、彼氏の方が一瞬でも目を奪われてしまって何か申し訳ない気持ちになる。

 ケンカしなきゃいいけどなー、と思いながらも、だがしかし彼女の方とよく目が合う俺。美人の隣に俺は、彼氏より弟に見えるに違いない。なんか納得したような顔されたし。いや勘だから間違ってるかもしんないけどさ。


「普通女同士で行くもんじゃないの」
「だってさぁ、いつまでもあれもこれもで決まんないんだもん」
「そうなんだ」


 確かに女の買い物は長いとは聞くけど、いかんせん夏樹さんがこれだからなあ。
 女の子っつか彼女居たときは、デートしてショッピングなんてよくあることで、長いっちゃ長かったかも。
 選ばせといて悩むしな。


 

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あきゅろす。
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