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09
 

 あれから更に休み明け翌週の火曜日。
 俺は今、体育館裏という名スポットに来てる。なんの名スポットかって?呼び出しに決まってますよ。


「───ちょっと、聞いてんの?」
「い、いくら格好いいからって調子乗ってるよね」


 はあ、なんのこっちゃ。

 目の前には、それなりに可愛い女の子。…と、『カワイイ系』男子。各二名。
 いや最初は女子四人かと思ったんだけど、がっつり制服が男物だったんだよ。顔面で決めちゃいけないね。


 とりあえず意図が掴めないので首をかしげてみた。そしたら女子に怒鳴られた。すんません。


「あんた何で呼び出されたか分かってんの?」


 がっつりギャルメイクな女子に凄まれてちょっとコワイ。
 ぶっちゃけ全然ワカリマセン。なんて言わないさ、空気読まないと長引くし。
 とりあえず沈黙を貫いてみる。
 すると四人が顔をしかめる。可愛さ台無しだぞ。


「馨様の恋路の邪魔なんてどういうつもりぃ?」
「元恋人だからって女々しくない?フッたくせに!」
「今更蒼司様の魅力に気付いたって、仲違いさせようって思ってんでしょ!」
「お二人に関わらないでください!」


 一気にぶつけられてちょっと後ずさりした俺は間違ってないと思う。勢いがすげぇ。
 ていうか、ちょいまち。
 なんで俺が別れを持ちかけた話を知ってんだ。というか、


「馨様って、」
「会長様の名前も知らないの!?ありえない!」
「恋路の邪魔って、」
「だから取られたくないとかいう独占欲じゃないの!?」
「…元恋人って誰から、」
「馨様が教えてくれたの!イジメられてもまだ懲りないとか…、…っ!」



 勢い余って、って感じか。はっとして口を噤んだカワイイ系男子。口元を隠して挙動不審。
 なるほどね。
 つまりなんだ?
 会長サマは蒼司が好きで?俺が蒼司の元恋人だと知って。自分で言うのはアレだけど未だに好きだと言ってくるアイツを俺から引き離したいか、蒼司の意識を自分に向けさせたいか?
 つうか関わるも何もそんな顔合わせてないし、話もしてないし、話しかけてくるのは殆ど向こうなんだけどな。




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あきゅろす。
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