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 え、なに。まさかあの一連は会長サマが首謀者だったりすんの?ああいうことをすれば俺が蒼司を避けて関わらなくなるとか思ってんの?その為のあの確認なの?まるで人畜無害だったじゃん俺。なんか気にくわないことしたわけ?
 え、なに。まさかそんなことの為にあの机は傷だらけにされて汚されて、菊の花贈られて。
 ついでと言わんばかりに噂流されて、俺を孤立させようとして、わざわざ四人を巻き込んで。
 まさか幼馴染みの時の事件も会長関係だったりするわけ?そうだとしたら噂の助長として二人が使われたわけ?どっかのクソ野郎共に不意討ちよろしくまた伊織が襲われたわけ?
 は?……はぁ?


「……はぁ?」


 思わず出てしまった素の呆れ声に、目の前の四人が見事に固まった。
 普段出さないからなあ、こういう声。
 もういいや、とついでに深く溜め息。ずっしり溜め息。


「…ねえ、」


 呆れをそのままに一度下げた目を上げれば、ビクッと肩を揺らして若干震えてる四人。チワワか。さっきまでの勢いはいずこー。


「俺の使ってる机、あれってやったの誰?君ら?クラスのヤツら?」
「あ…っ、ク、クラスの、コ」
「それってさあ、会長の指示かなんか?」
「……え、と…っ」


 モゴモゴキョロキョロしてる四人。なんかちょっとイライラしてきた。


「はっきり言ってくんねぇかな。さっきまでの勢いはなんだったの?」
「…っ、」


 溜め息混じりに言えば、なぜか涙目になって。いやいや弱すぎでしょ。さっきの強気は?怖さは?突っ込みは?
 泣かすつもりはなかったけど、ああ、なんかもう面倒くさくなってきたな。
 はぁ、とまた溜め息が出る。

 あー、もー、会長サマに直接聞いた方が早いかな。怒りが沸いてきた。
 そう思って片足を前に出しかけたとき。


「───…なに、してるの」


 聞き覚えのありすぎる柔らかい声が聞こえて、一歩進んで止まった。


「なんでいんの」


 あれ、なんかこの台詞前にも言ったような気がする。
 



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あきゅろす。
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