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05
 

 なんだどうした。今の会話の流れでどうやったら「好きだよ」って告白に繋がるんだ?
 あれか。脳内会話かなんかか。現実直結の妄想ぶっ込み型か。


「ど、…なに?」
「ん?好きだよ」
「いや違くて。急になんだよびっくりするだろ」
「好きだなって思ったから」
「そこは思ってるだけにしてくれよ」
「なんで?」
「いや…」


 なんで…なんで?
 べつに思うのは良いけどさ、急に言われるこっちは何のこっちゃだっつーの。
 好きとは言われてきたよ確かに。中学ん時とか一日一回は必ず聞いたし。
 まだ好きだって言われた身としては特に気にする所もない…わけでもないけどさ、まあ、うん、なんかね。
 恋愛感情抜きにすればそりゃ俺だって好きだよ。でも蒼司が言う「好き」と俺の「好き」は違うし、言われても返せない。


「う、ん…、ありがと…?」
「…諒は、もう好きじゃないんだよね」


 そんな寂しそうな顔をしないでいただきたいです。なんかこう、ぎゅうっとなる。申し訳ないって言葉とは違う気持ち。


「…ねえ」
「ぅん?」


 他所へ散らしていた視線を蒼司に向けると、ばっちりと目が合う。
 それも一息くらいだったけど、反らされた目は右に左に動いてて何か言うのを悩んでるみたいで。

 ふ、と息を吐き、ちらっとこっちを見た蒼司が口を開く。


「諒は、さ。……瀬戸君のことどう思ってるの」
「…へぁ?」


 おうっふ。
 変な声出た。
 いやいや違うそこじゃねぇ。なんだそのド直球な質問は。


「なん…、え?」
「どう、思ってるの」


 いやゆっくり言わなくても質問は聞いてたよ、聞いてたさ。でもなんでそこ?なんで瀬戸?初対面の時なんか二人雰囲気悪くなかったっけ?え、どゆこと。


「べつに…ふつーに、ともだち?」
「曖昧だね」


 曖昧に解釈されてしまいましたどうしたらいいのお母さーん!…はダメだややこしくなるだけだ止めよう。お父さーん、もダメだ更にダメだ止めよう。
 うーん。ともだち?友達だよな。あの感じは友達だよな?


「修学旅行のとき、」
「………」


 なにこいつも躊躇いなく爆弾投下するやつだったけそうだっけそうだったわあはは。……忘れかけてたのに。
 



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あきゅろす。
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