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中間考査というものは‐01
 

 週末には幸丸を混ぜて勉強会をしてなんやかんや勉強漬けだった時間が過ぎ、実力と成果を発揮させるべきテスト期間をむかえた。

 テスト勉強に集中してたから、この間のモヤモヤは影を薄くさせていて悩むことも減った。


 人の声がない教室にある音は、紙がすれるものとコツコツカツカツというペンを走らせるものばかりで。
 いや俺もその音をたててるが。
 勉強会のお陰でスラスラ、とまではいかなくても問題を理解して答えを導き出せている。


 最後の問いの解答を書き終え顔をあげて時間を見たら、まだ十分も残ってた。びっくりした。

 用紙を見直し、ペンを置き、窓の外を見た。校庭は静か。当たり前か。
 頬杖をついて外を見るうち、視野が狭くなっていく。ぼーっとしてんなー、と思いながらもそれを放置。
 テストの時はいつもそうだ。時間が余れば外を見る。端から見れば余裕があるように思えるような態度だろうな、と客観的な事を考えたりして。


 そうしている間に時間が過ぎ、怠そうな終了の合図に意識をはっきりさせて用紙を回収するまっつんを見た。
 解答用紙はいつも担当教師が回収に回る。まっつんは面倒臭いって本音があからさまに全身から出てるけど。











 テスト期間が終わるまでそれを繰り返して、頭のすみに追いやっている悩みを引っ張り出す事もなく過ぎて、最終日の最終科目である化学のテスト用紙と向き合う。
 化学は暗記をメインに頭に叩き込めばテストはいける。授業を理解出来ていれば尚更。しかし化学は問題数がほかの科目より二倍以上あるのがある意味難関ではある。

 問題用紙裏表とかなんなの。
 そのため唯一化学だけ50分間で、頭フル回転。軽く文になる事が多いから文字を書くスピードも上がる。
 少しでも躓いたり溜めたら最後の問いまで行き着けない可能性があるとか、どんだけ鬼畜なんだと毎回思う。嫌いじゃないけど毎回思う。


「……はい、やめー」


 最終日ですら怠そうなまっつんの声に、ペンを投げ出すように置いた。
 


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