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04
 

 ───勉強会を終えて三人が帰り、辺りはもう暗くなっていた。


「……はふ」


 風呂上がりの濡れた髪をわしゃわしゃしながら、静かなリビングに戻る。
 今日も、っていうか最近、夏樹さんが来ない。しばらく毎日のように居たもんだから居ないことに違和感を抱くほど、当たり前になっていたんだと気づくけど。

 まあ、あの人には自分の家あるし。忙しいんだろうなあ、としか思わない。連絡すらないのはちょっと気になるが。

 最後に会ったとき、あんま元気そうじゃなかったなあ、なんて考えながらも水を飲みほして髪を乾かして、自室に入る。


「……」


 …いや、うん。
 まさか瀬戸が学年上位に毎回食い込んでいるとは。
 意外なのか意外じゃないのか分からない複雑な気持ちになるんだが。というかなんであいつあんな不良不良って恐れられてんだっけ。

 見た目?無口だし目付き悪いし、でも、ピアスは俺も多貴も伊織もお揃いだけど付けてるし、それに瀬戸は黒髪だし、短期間ながら普通に良いヤツだと思えてるわけだし、なんだろ。
 今更だけどやっぱ近寄りがたい雰囲気とか、会うまでの間に喧嘩しまくっててああいう感じに有名になってんのかな。


 ぼけーっとベッドに座っていると、変に思考が回る。
 修学旅行の時の事、考えてないわけじゃなかったけど気にしないようにはしてた。気まずくなりたくないってのもあるけど瀬戸も何事もなかったように接してくれてる。


 悪いのは俺だ。
 自分でもワケわかんないけど。
 なんであんな風に突っ掛かったんだろ、とか。イライラした理由とか、蒼司となにを話したのか、とか。いかんせんすっきりしない。モヤモヤする。


「……甘いもん食いたいな」


 ベッドに寝転がって、溜め息と一緒に吐き出した。あの店のケーキ食べたい。
 結局考えても答えは見つからなくて、そのモヤモヤを抱えながら意識が歪んでいった。


 


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あきゅろす。
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