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ボクとキミの共通点
そういえば、ボクとタッツミーの共通点って何だろう。


恋人と似ている所が多い方が、何だか嬉しくなってしまうよね。



そうだね…まずはボク達は2人ともフットボールと関わりがある。ボクは選手でタッツミーは監督。ボク達の出会いは、フットボールがなければ有り得なかったんだから、これは本当に運命なんだろうね。


そうそう、ボクは襟がある洋服が好きだから、ETUのユニフォームはまさに理想なのさ。ボクのやる気を高めてくれるんだよ。だからボクはユニフォームの襟を立てている訳だけど、タッツミーもボクと同じようにジャケットの襟を立てているんだよ。これって2人の共通点と言えるよね。ふふ…何だかペアルックみたいで気分がいいね。今までは皆どうして襟を立てないのだろうなんて思っていたけど、やっぱりボクとタッツ以外はしなくていいかな。


それからマイペースなのもボク達の共通点かな。マイペースっていうとマイナスなイメージもあるけれど、周りに流されず自分を保てる訳だから大事なことだよね。ボクは試合中も常に自分のペースを崩さないようにしている。タッツミーも周
りからマイペース過ぎるなんて怒られているけれど、試合中はそれが上手く働いて、相手監督に自分の腹を読ませない訳だし。まぁフットボールは騙し合いのスポーツなんだから、こういうことに長けていなきゃいけないよね。





「っていう感じに、ボク達の共通点を考えていた訳なのさ。ねぇ、タッツミーはどう思う?」

「お前、練習中に守備さぼって何かぼ〜っとしてるって思ってたら、そんなこと考えてたの?」


練習試合の休憩中に、ボクは先ほどまで考えていたことをタッツミーに話してみた。彼は、お前暇なら守備しなさい、と呟いてボクにビシリと指を差した。


「だって仕方がないよ。考え出したら止まらなくなってしまったのさ。多分まだまだ似た所は、たくさんあると思うんだけど。」

「いやいや、それくらいで十分じゃね?つ〜か、もうすぐ休憩時間終わりなんだから早く戻るよ〜に。」

「本当にタッツはつれないね。ボクはどんな時でも恋人のキミのことを考えているのに。」


もっとボクの話に反応してくれてもいいのにな。タッツミーに促されて、ボクは渋々ピッチに戻ろうとした。そんなボクの背中に彼の声が響いた。


「共通点の話だっけ?俺も1つだけ思い付いたから教えてやるよ。……お互い大切な人が幸せだと、自分のことのように嬉しく感じるんだ。俺もお前も。」


ボクは前を向いていたから、残念ながらタッツミーがどんな顔をしてこんな素敵なことを言ってくれたのか分からなかった。


「タッツ…タッツミーの言う通りだよ。ボクはキミが幸せでいてくれるだけで十分だもの。タッツミーもボクが幸せだと…嬉しいんだね?」


タッツミーはボクの問い掛けには答えずに、代わりにニヒ〜と笑った。だけどその笑顔が全てを物語っていたんだ。


「あぁ、タッツ!今すぐキミを抱き締めたい。」

「お前…何言ってんの。今練習中だろ。だ〜め。」


ボクが再び近付いたから、タッツミーは口を尖らせて近寄んなと抵抗した。そんな風に照れた彼がただ愛しかった。


「ボクは皆に見せ付けても構わないんだけど…仕方ないね、分かったよ。今日の夜までお預けだね。」

「そ〜です。夜まで我慢しろよ!」


…びっくりした。だって絶対、何馬鹿なこと言ってるんだって言われると思ったのに。本当にボクの恋人はボクの予想を裏切ってくれるね、いい意味で。





タッツミー、本当にキミはボクを幸せにしてくれる。そんなボクを見てキミも幸せだって思ってくれることで、もっともっとボクは幸せになるんだ。


ボクとタッツミーの共通点は数えるくらいしかないのかもしれない。だけどこれが1番の共通点だよ。



ボクは練習試合の再開の声を聞きながら、タッツミーに笑顔で手を振った。彼が恥ずかしそうに小さく手を振るのを見届けて、ボールを大きく蹴った。






END






あとがき
ジノタツ好きすぎてとうとう書いてしまいました^^


ジーノが練習中にまでもタッツミーのことを考えていたら可愛いなぁと思いまして(^▽^)


タッツミーには最後だけちょっとデレてもらいました♪ほのぼのジノタツ大好きです♪


読んで下さってどうもありがとうございました(^^)

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あきゅろす。
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