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何度も電話を入れて、こんな時間になんとかとれたホテルの部屋で、シャワーを浴びてベッドに倒れ込んだ。
眠気は半端ねぇのに、照明を落として目を閉じてみても眠れやしねぇ。……本当に何をやってんだ、俺は。結局、最後に泣かせてしまったのは自分じゃねぇか。

一緒にいたい……そんな簡単な願いを聞いてやることが、今の俺には難しすぎた。
なぜか。その願いを受け入れてしまったら、絶対に酷く扱ってしまうのが目に見えているからだ。
今、傷つけてしまったことは分かってはいるが、俺自身が制御できないこんな状態でそばにおいておくと、いくら泣こうが喚こうが、絶対に止められねぇ。

帰りたくないと言った愛姫は、いったいどんな気持ちだった? あいつのことだから、その言葉通りの意味だろう。
あいつが望むことは分かっている。抱きしめていてほしい、手を握っていてほしい。だから駄目だ。そんなもんで止まるはずがねぇんだよ。
同じ空間で、たわいもない話をしてテレビを見て、一緒に飯食って。それがあいつにとっての幸せで、本当に嬉しそうに笑う。
それを愛姫が望むのなら、そんなことでそんな笑顔が見れるのなら、禁欲ぐらいどうにでもなっていたというのに……今日ばかりはそうもいかない。

───あいつは今頃きっと泣いているんだろう。それでも、ズタズタにしてしまうよりはずっといい。
……そんなことを考えているとは知らないあいつの瞳に、俺はどう映ったのだろう。酷い男だと思っただろうか……




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