03
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「あのさあ、どうもお前に惚れてるらしいんだけど」
残業上がりの森下に告げると、もともとでかい目を、これでもかというほどに見開き驚いていた。数分たっても黙って俺を見上げたままで。
「返事は?」
問いかけるが固まったままの森下。
「おい」
頬に軽く触れるとビクリと体を揺らし、ようやく動いた口。
「あの……! 今なんて……」
「惚れてんの」
耳元で言うと、逃げるように離れていった。
「ほ、惚れ……?」
「そ。俺がお前にな」
また固まった……
あんぐりと口を開き、目をパチクリさせながら。
「返事は?」
「お返事……」
告白なんて初めてのことで、どうやって言葉にしていいのか分からねぇから、そのままの気持ちを言うことにしたのだが……
こんなに心臓が苦しくなるもんなのかと、正直ビビった。
精一杯に平静を装いながら返事を待ってはいるものの、いっこうに返ってこねぇことに苛々する。不安な気持ちが押し寄せてくる。
どうなんだ……? お前は俺のことをどう思ってる?
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