ナタリアは王族ではない。
それを突き付けられた彼女の表情をルークは忘れることができない。
それはルークにとってとてつもない衝撃を与えた。
裏表もなく王族として励みながらルークを嗜め寄り添い慕い堂々と自ら決めた道を歩むナタリアはルークにとっての対等な女性であり指標であり幼馴染みであり彼女というルークの中の――数少ないガイと共にある――尊敬にすら値する唯一の存在であった。
ナタリアはルークの中でナタリアであり、それ以外の何者でもない。
その彼女が自らの足場を崩されて動揺している。
ルークがそんな彼女の姿に何も思わないわけがないのだ。
「俺の聖域を侵すな」
ルークは誰に言うでもなくただ一言、そう呻いた。
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もう少し楽しい話は思い付かないものか。
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