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何度か深呼吸をして息を整えてから目を合わせて口を開いた。
メリルが顔を赤く染めながらダメです言えば、ガイラルディアは瞬きを繰り返す。

「え、ダメなの」

「はい。ガイラルディア様のお供をさせていただくことはできません」

片眉を上げて今日出掛ける約束をしていたはずだけど、と訝しむガイラルディアにメリルは困った顔を向けることしかできない。

「えっと……」

「メリルがお前の要求に応えてばかりいるからお前が付け上がる。よってメリルの存在がこの伯爵家の次期当主に悪影響を及ぼしている」

と私がメリルに言いましたの、とガイラルディアの後ろからハリのある声がした。
そちらの方を二人が向けば伯爵家子女でありガイラルディアの実姉であるマリィベルが近付いてきながら笑みを見せた。

「……姉上」

「お前が、私に意見するのですか」

何かあるのなら聞いてさしあげましょう、とそのまま二人の間をぬって自室へと向かっていくマリィベル。
ガイラルディアは姉と視線を交わしそれを見送りつつ滅相もない、と呟いた。
昔から姉には逆らえないよう教育されてきたのだからある程度は笑顔で受諾するしかない。

しかし、ガイラルディアの付け上がり様を変えることはマリィベルにとっても難しいことだ。

がばっとメリルを腕の中に閉じ込めると、メリルに振られたから慰めてよ、とガイラルディアは心優しいメイドに当然のように甘え、彼女の悲鳴にふて腐れた気分を良くするのだった。


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振られたは、出掛けるお誘いに振られたということです。分かりづらくてすみません;;

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あきゅろす。
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