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縁切りの神様
一夜の過ちK




「ほら。此処に手を当ててご覧」
「!!!!!」

そう言って、胸の中心に手を当てる様にと京を導く業平の逞しい腕。


拒否する事も、逃げる事も許してはくれなかった其の力強い腕が教えてくれたのだ。




此の男も、未だ京を抱く事に緊張しているのだという事を。



「……‥‥‥」
「どうだい??俺の心臓は情けないくらい悲鳴をあげていなかったかい??」


宗貞とは全く違う。



サラリとこういうキザな事が出来てしまう、此の歳上の男に対し

京は今日までずっと、強烈なまでの苦手意識を抱いて生きてきた。




なのに業平が自分と同じくらい、或いは其れ以上に緊張していた事が分かった其の瞬間


京は長らく喉に痞(つか)えていた様な

そんな、しこりの様なわだかまりがポロリと取れ落ちてしまう錯覚を覚えたのだ。




「業平はんは‥ほんにウチをいわす(やりこめる)んが昔から得意おすな(ですね)」
「そうかな??」
「そやさかい、すこい(ズルい)男やわぁ。女子の扱いがあんじょう(上手)にならはったんも、いたいけな女子を散々弄うた(もてあそんだ)結果なんでっしゃろ??」



幼馴染であり、同時に婚約者でもある此の男。

何処か浮世離れしていて、何を考えているか全く分からない。



其の上女に滅法だらしなく、こんな男と一緒になったら苦労するのは目に見えている。


少なくとも京はそう思っていた。

けれど、そんな業平の不誠実を京が度々チクチクと詰ったせいなのか



「ハハ、耳が痛いな。でも―――」


彼は珍しく苦い笑みを浮かべながら、弁解する様に事の顛末を語り始めたのだ。




「其れは君が悪いんだよ、京」
「…‥どないしてそうなるんでっしゃろ。責任転換はえづくろしい(見苦しい)だけでっせ」
「酷いなぁ。君が宗貞ばかりに夢中で少しも俺に振り向いてくれないから、他の女で忘れようと必死に努力したっていうのに」
「!!!!!」
「尤も、君の目には唯の甲斐性なしで浮気性な男にしか映らなかった様だけれど」


其の、逆に京を詰る様な意地の悪い業平の言葉に

気丈な京が反論しようと口を開けても




「あぁ、やっ///なに、すっ‥‥んん!!」
「さぁ、そろそろお喋りは終わりだよ。京」
「ふぁあああっ///」

すかさず業平が柔らかい彼女の耳朶を甘噛みしてしまい、出て来た声は全て快感を含んだ甘い声に変わってしまう。


其れだけでなく



「あっ、んくっ!!やぁ、動かん‥といて、やすっ///」
「言ったろう??京の声が聞きたいって。今日は君の声が枯れるまで付き合って貰うからな」
「はぁああっ!!な、業平はんの、いけずぅうっ(意地悪)///」


京の内部で、大きさを変えずに留まっていた業平の逸物が忙しなく出入りを繰り返す。


たった其れだけの事で、まだ男を知ったばかりの京の初心な身体は花開いてしまったのだ。




貪欲にギュウッと、彼のモノを締め付ける程に。



「っ、あぁ!!いいよ京。ずっと、君をこうして抱きたいと思っていたんだ!!」
「んふ、あぁ‥はげ、しっ…もぉ、堪忍してぇっ///」
「もう君は俺のモノだ。宗貞には、渡さない!!」


ぐちゃぐちゃになった内部を何度も何度も貫かれる。

其の、抉る様な激しい律動に京はぼんやりとした頭で





―――言わんといて。宗貞はんの事は。

と、小さく呟いて意識を手放すのだった。



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