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8(あやめ×仁)
声も出ない数分の後、降りる時も足ガクガクのあたし…

足がもつれて歩けない…と思ったらフッと腿の後ろあたりを抱き上げられて周りの視線の中すたすたと出口へ…

ベンチに降ろしてくれて…
『大丈夫か?ごめん、こーゆーのダメなの忘れてて…』

仁のキレイな顔に覗き込まれて…
違うドキドキがぁ〜!

「もぅ、だ…いじょぶっ…」

どもっちゃった…

『少し休もう?』

と隣にドカッと座った。

さっきので、女の子たちの視線が痛い…

『冷たいのでも飲む?ちょっと待ってな?』

仁を目線で追っていると…
売店で注文して…
待ってる間に…
逆ナンされてる…
断ったみたい?
あ…戻って…


仁の姿が遮られ、
「一人?一緒に廻らない?」



私…ナンパされてる!?



『…何か用?』

仁のヒト睨みで散っていく男の子たち…

あたしは初めてのナンパにビビッてて…

『大丈夫だったか!
ごめんな…一人にして…』

仁の言葉も耳に入らず…
涙ポロポロ…

泣く事はなかったんだけど、なんか怖かったんだもん…

だんだん…
まわりの音が聞こえてきて…
あったかくて…

…な…に…?…

気付いた時は

仁にぎゅーって抱き締められてて…

ピクッ

やっと動いたあたしに

『あやめ?俺わかる?』

目を見つめられて

「…じ…ん…」

やっと声が出て

仁に抱きつくと…
更にぎゅーっと抱き締めてくれた…



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あきゅろす。
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