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匂い嗅ぎ分け




「ぶはっ!ふふふふ…ははははっ!」
「テメェ笑いすぎだ!!」

翌日。雨がザーザーと降っていていつもより若干暗い教室、湿度が高くモワッとした空気。しかも入学してからまだ間もないから教室内に和気藹々とした雰囲気は皆無。そんな中で、私は机を叩きながら爆笑していた。

「匂いって…ぶははっ!あんた犬か!!」

ヒーヒー言いながら笑う私の前には血管を浮かび上がらせてキレる直前の火神君。
だって…ねぇ。学校に来たら火神君がいて話し掛けられたのに驚きつつ(火神君は遅刻間際で来るタイプだと思っていた)、話を聞いて見れば。まず帝光ってのは本当に強いのか、から始まって最終的には黒子は弱すぎて匂いもなんもしねー、と。…ぶふっ

「何をどうやったらそんな匂いが嗅ぎ分けられんのさ。ぶふっ」
「その変な笑いをやめろ!」
「いでっ!」

頭をひっぱたかれて暴力はんたーい、と言えばギロリと睨みつけられた。ヘッ、怖くなんかないわボケ!

「お前も帝光だったんだろ?ならなんであんな弱い奴がレギュラーだったのか、」
「黒子君は弱くないよ」

一限目の教科書とノートを出しながら火神君の言葉を遮る。あぁ?とガラの悪い声を出す火神君の頭を、教科書で叩く。

「黒子君の強さは、1対1なんかじゃわからないってこと」

大体弱くて帝光のレギュラーなれるわけないじゃんか。馬鹿か。馬鹿なのか。あ、バカガミか。

「お前今失礼なこと考えてただろ」
「ベツニー、ソンナコトナイヨー」
「つくづく腹立つ野郎だな…!!」

握りこぶしをつくる火神君から距離を取る。こりゃ殴られかねん。

「あ、あと一つ」
「?」
「黒子君は敵に回すと怖いからね」

昨日の1対1全然怖くなかった、と言いたげな火神君だったが、チャイムがそれを遮った。





 

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あきゅろす。
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