黒子はボクです
「えーと…黒子君てこの中いる?」
「あ!そうだ帝光中の…」
「じゃあ、マネージャー一緒か!?」
「黒子!黒子いるー!?」
空気を変えるためにか、リコ先輩が黒子君のことを口に出す。そうすれば周りはぶわっと沸く。…なんか、気を使わせてしまって申し訳ない。
…ていうかリコ先輩、黒子君先輩の目の前にいますよー。
「今日は休みみたいね。いーよじゃあ練習始めよう!」
「あの…スミマセン」
みんなは今まで一度も聞かなかった声を耳に入れて、硬直している。
「黒子はボクです」
たらり。リコ先輩は冷や汗を流すだけで、他の身体の機能は止まっているようだ。
「きゃぁぁあ!?」
「うわぁ何?…ぅおっっ!?ダレ?」
ビビりすぎ!ぷくくっと笑いそうになるのをみんなの様子を伺う。
「いつからいたの!?」
「最初からいました」
「ウソォ!?」
…さすがに黒子君がかわいそうです先輩。同情しながら黒子君に目をやれば彼は肩をすぼめた。
「…え?じゃあつまりコイツが!?キセキの世代の!?」
「まさかレギュラーじゃ…」
「それはねーだろ。ねえ黒子君」
メガネ先輩の言葉に首を傾げる黒子君。そりゃそうだ。何せ黒子君は『あの』シックスメン。
「…?試合には出てましたけど…」
「だよなー…うん?」
「え?…え!?」
「え゙え゙ええ〜!?」
「ちょ、先輩たち!さすがに黒子君可哀相ですよ!」
「舞ちゃん!本当なの!?黒子君がレギュラーって!!」
「は、はい…」
物凄い形相のリコ先輩に若干ビビりながら返す。…まあ、黒子君は見た目すごそうに見えないけどさ!
「ちょっ…シャツ脱いで!!」
「え?着ちゃった…」
言いながらもそもそ脱ぐ黒子君。…リコ先輩、あなたも女なんだから少しは躊躇してください。
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