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「これが小由良心葉の証明だぞ」


 私の足許でリボーンさんは十代目さんと獄寺さんとを見ながら言った。

 これが、と言われてもボクには分からない。

 対して二人の表情には翳りが浮かび始めた。


「これは…」


 獄寺さんが眉間に皺を寄せ、顎に手を当てた。
 何かを考え込んでいる様な仕草だ。


「こんな…」


 十代目さんは言葉を詰まらせ、足許から私の方へ視線を移す。
 けれど目が合うと、ご、ごめん、と言いながら顔を真っ赤にして直ぐに視線を足許へと戻した。
 それにも直ぐに堪えれなくなったのか、結局窓の外へと顔を向ける。

 何か、困っている様な表情だ。


「あ、あの…」


 流石に、ボクも気になった。
 ボクの足の裏には何が有るのか。
 どうして、それがボクが小由良心葉だと証明するのか。


「ボクも見て…良い、です…か?」




「ん?」


 リボーンさんの大きな瞳がこちらを振り返る。
 胸の辺りが僅かに跳ねるような感覚がした。


「………ん、あ」


 逆に、獄寺さんはボクの方とは反対方向、丁度十代目さんと同じ方を向いた。


「にしても、良い天気ですねー」

 何か固い口調で、獄寺さんは十代目さんに言った。


「う、うん。そ、そうだね」


 すると、十代目さんは困った様に笑って、チラッとこちらを見て、直ぐに窓の外へと向き直った。


 …今日は今にも雨が降りそうなほど曇っているんだけど。


 二人の顔がほんのり赤らんでいたのは何でなのだろう。
 そう思いながら、ボクはリボーンさんへと視線を戻した。


「アイツ達は気にしなくていいぞ。思春期だからな」


 ニッ、とリボーンさんが微かに笑んだ気がした。


 …どういうことだろう?


 ボクにはよく分からない話なんだろうと、一先ず納得した。


 

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