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「リ、リボーンさん…ところで、ソイツは一体何なんです?」

 二人の言い争いに割って入る形で極寺さんは話のベクトルをボクへと向けた。


「ん?コイツか?」

 そこで、リボーンさんは一度言葉を区切った。

 ボクとしても、ボクが何なのか知りたい。
 だから、少しもどかしいモノを感じた。


「心葉はな、ボンゴレ傘下のとあるマフィアのボスの一人娘だぞ……表向きはな…」

「んなっ!?」

「コイツもマフィアだったんスか?!」


 マ…フィア…?
 ボクが?

 終わりの方は声が小さくて聞き取れなかったけど、リボーンさんが言うには、ボクはマフィアのボスの一人娘ということだ。


 リボーンさんの話はまだ続いた。
「それで、そのマフィアに色々あって、大切な一人娘を巻き込む訳にはいかない、ということでボンゴレに要請があって、心葉は日本、とりわけボンゴレ10代目の居るこの並森に送られたんだ…………だが…」


「実際に会って見れば、本人は記憶喪失で何も分かっていない、という訳ですね」


「ああ。心葉本人にも用があったんだけどな、これじゃあ、何もできねーな」


 リボーンさんと極寺さんは腕を組んで、偶にボクへ視線を向けながら何かを話し合っていた。

 ボクにはさっぱり分からない。
 けれど、どうやら10代目さんもよく分かっていないようで、時折首を傾げながら、リボーンさんと極寺さんの間で視線を行き来させていた。


 ボクへ苦笑いを浮かべることもあって、それが少し頼りなくも親しみを感じれた。

 10代目さんは年上、な気がしたのだけど、勘違いなのかな、と無関係に考えてしまった。

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