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堅物なお前の表情が、俺のせいで変わるのがうれしかった。

幼いころより傍にあり続けてくれた、時に真剣に叱り、時に共に喜んでくれるお前が、誰よりも愛おしかった。


それはきっと本来ならば家族に向ける愛だったのだと思う。


絶対の信頼は、とても心地よかった。

失うことなど、考えたくもなかった。



「来世で会えたら、」


なんて馬鹿なことを言った俺に、お前は何と返したのだろう。


もう何百年も前のことだ、所々が欠けた記憶は、虫食いのようになってわからない。

でもきっとお前のことだから、俺の喜ぶ言葉をくれたのだろう。



お前は、俺を、覚えていてくれるだろうか。

覚えてくれていたら、うれしい。

うれしいけれど、それを見ない振りして俺はとぼけて言うのだろう。


あなたは、誰ですかと。


お前が尊いと称えてくれた俺は、もういないから。


あの愛おしい目で、蔑まれたなら、俺はきっと生きていけない。

今更生に執着などないけれど、どうせ死ぬなら、最後はお前の笑みを焼きつけたままこと切れたい。


それは、なんて、こうふくだろう…、




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