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短編/外伝集
小さな家族
「いやぁ、コタツっていいねぇ〜…」
レナシスは炬燵に足を突っ込み、机に上半身を預けて息を吐く。
「レナシス君、毎日同じ事言ってるね」
「だってぇ、気持ちいいんだもん〜!」
「炬燵で寝ると風邪を引きますよ」
夜宵はレナシスに呆れた目を向けるが、「風邪引いたら、夜宵が看病してね!」と返される。
「………はぁ」


季節は、こちらの世界で言う所の『冬』。
外では雪が舞い、元気に遊ぶ子供達や、それを見守る親以外はみんな自分の家に籠もる。
…例外はあるだろうが。


「ほら、見てカロレス!ボクとレイサーで作ったんだよ!」
「おぉ、こんなに作ったのか。お疲れ様」
三人の足元には、八体の雪うさぎ。
それぞれ木の実や枝などの装飾や形が異なる。
「ん?この二つは似てるな…」
「そうだよ!ボクとレイサーだもん!」
「この雪うさぎ、みんなをイメージしたんだよ」
なるほど。言われてみれば、それぞれの個性がよく出ていた。
小枝で眉毛が作られている。この強気そうな顔をしてるのがレナシスだろうか。
その隣で葉っぱのリボンを付けているのが夜宵、こっちの大人しそうな顔をしているのがリト、その隣は……。

「凄いな二人とも。みんな特徴が出てる」
「でしょ!?頑張ったよ〜!」
「…スキルがね、『これからも、八人仲良く暮らせますように』って…願いを込めて、作ったんだ」
「そうか……」
「だって、ボク達は家族だもん!」
「…うん!」
にこにこと笑う二人。
見下ろすと、寄り添うように並ぶ、雪うさぎの家族の姿があった。

「……うん、そうだな」
カロレスは二人の頭を優しく撫でる。
「雪は、いずれ溶けて無くなってしまうけれど……俺達はこれからも…ずっと家族だ」
「「うん!」」




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あきゅろす。
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