短編/外伝集 レナとレナシス 『お次は、流星とともに踊る歌姫!レナさんです!』 『みなさん、こんにちはー!』 家族の団欒。 炬燵に入り、食卓を囲む。 テレビからは、現在人気の歌姫『レナ』の歌が流れている。 「あ〜、この子やだなぁ」 「なんでー?ボクはこの人の歌好きだけどなぁー…」 「歌はいいけどさ…」 「…名前が似ているのが嫌なんでしょう」 「そーいう事!向こうは女の子だしさぁ」 レナシスは口を尖らせる。 「意外だわ…レナシス君、そういう知らない人の事は気にしないと思ってた」 「普段は自分と夜宵の事以外眼中に無いのにね…」 「ボクだってそういう事気にするんですぅー!」 「よく言うよ」 「なぁにさ!塑羅はいつも自分の事以外眼中に無いクセに偉そうに!」 「なっ……何?それが悪い事なの?…それは知らなかったなぁ」 「ははははは!勉強になったねぇ!ボクに感謝するといいよ!!」 「れ、レナシスくん、塑羅くん…落ち着いて…」 「………自分の事以外、眼中に入っていませんね」 睨み合う二人とオロオロする翠に囲まれ、夜宵はふぅと溜め息をついた。 「……あ〜、いい歌だったな!また聞けるといいなぁ」 「ね、この人の歌、いいでしょ!」 「さすが歌姫様ですね」 「「あ……」」 …半数は聞いていなかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |