tvxq
One(マサ祥)
※設定は完全にパロディです。
うっすらですが暴力的表現あり。
目が 覚めるその度
君がいる
その事を確かめる
「…祥ちゃん?」
日中は汗ばむ陽気になったけれど、夜中ともなればそれなりに肌寒い。
腕のなかに居たはずの彼を探してベッドを抜けると、ベランダに繋がる窓から光が漏れていた。
「森田くん、起きたの?」
「うん。祥ちゃんいなくて、寂しかったから」
「はは、なにそれ」
指先に煙草を挟んだまま、柔らかく微笑んだきみ。
右目の直ぐ下には、痛々しい痣ができていた。
紛れもなく、俺が付けた跡。
2日前、俺の手がつくった痛みの証。
「…病院、どうだった?」
おずおず、と言ったかんじで彼がオレに尋ねる。
どこまでお人好しなんだろう。
オレの頭がオカシイことより、きみのその痣のほうがずっと問題じゃないか。
「いつもと変わんないよ。カウンセリングと、少し薬貰ってきた」
「そっか」
2年半くらい前から、オレは発作的に彼に暴力を奮うことがあった。
普段なら笑っていられるような出来事も、「その状態」に入ってるオレには起爆装置になり、激しく怒鳴りつけながら拳を上げているらしい。
らしい、と言うのは、オレ自身記憶がないからだ。
ただ、脳みそが警鐘を鳴らしたと思ったらぷっつり意識が途切れ、気が付くと泣きながらうずくまっている彼の姿があった。
勿論そんな無責任なことは言えないから、記憶が飛んでいるのは彼には伝えてはいないけど。
「祥ちゃん、ごめんね」
そっと青黒い痣に触れる。
謝って済むことじゃないことは分かってる。
でも、オレは
何度彼を傷つけても、謝らずにはいられなかった。
何度彼を涙に沈めても、微笑みかえしてくれる優しさに甘えた。
彼を手放せるほど、オレは強くない。
「やだな、謝らないでよ。照れるじゃん」
出逢った時よりも細くなった腕がオレの背中に回される。
オレがきみを好きにならなければ、もっときみは幸せだったのかな。
「前から言ってるけど、傷とか跡つけてくれるの嬉しいんだよ?森田くんに愛されてるって、確認できるから」
「…ん」
「あーあ、男前が台無し。どうしたんだよトム・クルーズ!」
彼の薄い肩口に顔をうずめて、またオレは泣いてる。
おどけた調子で言いながらも、それでも優しく抱く腕の強さは変えないきみに、唇を寄せる。
「ありがとう」
唇が触れ合ったまま、涙のせいで掠れた声を絞り出す。
宙を漂った短い言葉は、オレにはこれしか言えなかった。
I pray for this love to be true
失えない君を
miss you, my baby you
僕のすべてをかけて
君だけの空に 虹を架け
ふたりで渡ろう
もう一度、今度はゆっくりキスをする。
薄く覗いた瞳に、永遠を誓う。
守ることは出来なくても、ずっと、そばにいるから。
オレたちがこうして出逢い、同じ性を持ちながらもこうして愛しあっているのは奇跡なのかも知れないと、馬鹿みたいなことを本気で考え、思わず口にしていた。
すると彼は、目を細めた、少しだけ妖艶さを漂わせた笑顔を浮かべて答えた。
「出会えたのは奇跡でも、俺と森田くんが繋がってるのは…愛しあってるのは、俺の努力」
「そうなの?」
「当たり前。森田くんさぁ、いい加減モテること自覚しなよ。アラフォーにあるまじきモテかたしやがって」
「それは祥ちゃんも一緒じゃんか。イベントなんか、きゃーきゃー言われちゃってさ」
「俺への歓声はぬいぐるみが好きなのと同じ。でも森田くんは違うし。ちゃんと、男として見られてる」
「んー大丈夫。オレは祥ちゃん以外じゃ勃たないから」
「…ばーか」
照れて赤くなった頬に、もう一度唇を落とす。
「しょーちゃんっ」
「んー?ここでおっぱじめんなよ、外だし」
「そんな若くないデス」
くすくすと笑う声に、表情に、また愛しさが募る。
伝えたいことは沢山あったけど、言葉にならなかった。
「好きだよ」
「ん」
「オレの全部は、祥ちゃんだから」
「…ん」
「いなく、なんないでね」
「お互いさまなんだけど」
綺麗な笑顔の祥ちゃんを抱いたまま
もう一度、キスをした。
もうどんな 風に吹かれて
迷いそうになったって
たったひとつ
たったひとり
君を
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「One」:東方神起
1stアルバム「Hert,Mind and Soul」
もう少し方向性を誤ったら森田くんに祥ちゃんをぶん殴るシーンをリアルにさせる所でした←
うーん、マサ祥は動かし易いです(ほくほく)
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