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tvxq
Tea for Two (D祥)
大切で 大切で
世界で一番に大切な人
いつまでも いつまでも
僕のそばで笑って見つめさせて










たまたま重なったオフ。
彼はさっきからキッチンに立って、俺はカーテン越しの午後の光を受けながらソファに横になって彼を眺めてる。


少し前までは誰も居なかったこの部屋に漂うレモンとバニラの香りが嬉しくて、ついつい緩む頬をそのままにしていたら、キッチンの彼に「大輔」と声を掛けられた。





「顔がきもい」

「ひど!!」





俺のリアクションに満足したのか、くすくす笑うとまたレシピに視線を戻して作業をしている。
歌をうたうようにレシピを何度も読み返している姿に、悪戯心が芽生えてソファを立った。





「丁度よかった、ちょっとそこのボウル…んっ」

「ん…ごちそうさま」





手伝うふりして背後に周り、こちらに向いてきた唇を味わう。





「お前、変態だろ」

「失礼な。祥ちゃんが悪いんだよ、誘うから」

「きもいっつの。てか、しょーちゃん言うな」





照れた様子…ではなく、かなり真顔で吐き捨てる恋人に苦笑しつつ、腰に腕をまわして彼の肩に顎を乗せる。

意外にある身長差でけっこう辛い体勢だけど、首筋から漂うシトラス系の香りが心地よくて体は動かさない。


…でも後々の報復が怖くて、一応声を掛けてみる。





「後ろから抱きしめたまま、作るのって、どうかな?」

「邪魔」





俺の恋人は、どこまでも素直だった。










明日で世界が終わるなら
明日もこうして笑いたい
きっとレシピを読んでる君
僕はkissしてる君に
そして
好きだよ
って言うから
うなづいてくれればいいから
今日と同じように










彼と俺が付き合いだしたきっかけは、商店街のガラポンで当たったディズニーリゾート宿泊券みたいなもので。



要するに、思いもかけなく手に入れた高価な賞品ってこと。



確かに俺は付き合う数ヶ月前くらいから森久保さんを意識してはいたけれど、それなりにジェンダーな悩みも発生したし、何より既婚者に手を出すのは気が引けた。

それでも、オフィシャルなメディアのないところでは結婚についても「利害が一致したから戸籍をシェアしてるだけ」とか冷めたことを言ってる森久保さんの言葉に勇気をもらってどんどん距離を縮めていった。
森田さんや杉田との付き合いを増やし、森久保さんの取り扱い方法を学んで、(森田さんにはソッコー恋をしてるってバレたけど)でもチャンスがなくて想いは伝えずにいた。


そんなときだ


彼が人生の大きな決断をして、なんだかんだ言いながらもやはり妻だったひとを愛していたのだろう、涙を流していた彼に腕を広げてやると、子供のようにすっぽりと収まった。

そして子供らしさは一切感じない素早さで…求めるまでもなく足を開いてきた。




それ以来、一応お互いの認識は「恋人同士」ではあるのだが。





「森久保さん」

「んー」

「俺の愛、足りてる?」





たまに、怖くなる。
俺がどんなに愛しても愛しても、エネルギーの大半が愛なんじゃないかってくらい愛されたがりなこの人は足りてないんじゃないかって。





「足りて、ないよ」





…やっぱりか…


わかっていても面と向かって言われると辛い。

かなり分かり易く落ち込んでいると、彼が手を止めて体を反転させてきた。





「だから、さ」





吊り気味な目を細めて、エプロンで拭った手を俺の腰に回す。

あぁ、俺はこの人のこういうセクシーさと庶民的な面のギャップが好きなんだよな。





「もっと、愛してよ。愛されないと死んじゃうから、俺」





俺の恋人は、どこまでも正直で素直で





「ていうか、浮気するよ?」





…尻軽なやつでした。










大切で 大切で
世界で一番に大切な人
何よりも 何よりも
君に出会えたことが幸せ
ただふたりでいるだけで
ただそれだけで甘い時間を…





┼┼┼┼┼
28thシングル「Stand by U」カップリング曲


当初の予定は慶半でしたが、拍手リクにお応えしてD祥をば!!
拍手リクには小野祥とあったんですが
小野坂さんの小野じゃないですよね…?(笑)

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あきゅろす。
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