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tvxq
Purple Line(マサ←祥←梶)
設定は完全にパロディです!!
祥ちゃんあばずれ設定←
梶鬼畜ドエス設定←





really wanna touch myself. 奇跡を願っていても
自分の心が強くなくちゃ進めない
right now!









「森田くんってさ」





あぁ。また始まった。


珍しく居酒屋に飲みに行こうと誘われ、素直に予約をした訳だが。
個室にしてくれとわざわざ僕に頼んだのは、そういう話をするためだったのかと、今更ながらに後悔する。





「歌ってるときさ、何色に見える?」

「…白とか?」





ライトが当たっているからと、至極常識的な回答をすると、彼は愉快そうにくすくす笑った。





「梶はまだガキだなぁ」

「はぁ?勝手に訳わかんない話始めたのあんたでしょうが」

「色っていってもさ、目に見える色じゃないんだよ」





彼は感覚で生きてるから、自分の思いや考えを他人に伝えるのが得意ではない。

最初は突拍子もなく泣き出したり不機嫌になったりする態度は大嫌いだった。





「オーラみたいなこと言いたいんですか?」

「まぁ、近いかな。梶の割には」




なんで上から目線なんだよ。

心では文句を垂れながらも、自分の覚えている限りの森田さんのステージを思い返す。
あの人は何事にも全力だ。
仕事をきちんとこなすのは勿論のこと、共演者やスタッフにも気配りを忘れないし、その場その場の臨機応変な行動は男として見習いたい限りだけれど。





「こらっ」





いきなり額に感じた衝撃。





「いたっ」

「森田くんにうっとりすんな」

「してませんよ!!」





酔っ払いにまともに接してはいけないと思いながらも声を荒げてしまう。





「赤、ですかね」

「赤ぁ?」





だからなんで不満げに言われなきゃなんないんだよ。

口を開いたら文句が飛び出してしまいそうだったから、黙って薄くなってしまったウーロン割を口へ運んだ。

すると僕が拗ねたと思ったのか、またくすくす笑い声をたてながら(と言っても、今度は妙な色気を漂わせて)身を寄せてくる。





「森田くんはステージだとさ、紫色に輝くんだよ」

「むらさき、ですか?」

「おう。もーめちゃくちゃセクシーなんだぜ?色気むんむんで」

「それ今のあんたでしょ」




思わず本音が漏れてしまったが、言われた当人は大して気にした様子もなく妄想に思いを馳せている。



こういう純粋に人を想っている彼を見るのはまだ慣れない。
以前はセックスがコミュニケーションのメインの手段とでも言うように下半身がだらしなかった癖に、もう一年以上前、いきなり恋をしたと報告されたのだ。

勿論森田さんだって、既に武勇伝と化していたこの人のシモ事情は知っていたし、まるで自分のことのように心配し、時には咎めるような事を言ってはいたのだが。





「前から気になってたんですけど」

「んー?」

「なんであんた、森田さんは襲わないんですか?」

「…俺がいつ男襲ったよ」

「あーれー?森久保さんは忘れちゃったのかなー?新人の若手声優を空きスタジオに連れ込んで勝手に脱がせて跨ったことー」

「ぐ…」

「僕怖かったなー。攻めたとは言え男初めてだったし」





何も言い返せずに拗ねたが、素直に可愛いと思った。










Purple line, let me setup my world! 誰も歩いたことないthis way,
夢を抱いて 生き方を探し続けてる
自分らしくmy progression.
強い気持ちを持って 勝ち遂げてみせる
情熱の purple line.











「嫌われたく、ないんだよ」





カラン、とグラスの中の氷が溶けて音をたてた。



彼が少し自嘲ぎみに言った言葉は、人として尤もだったけれど、矛盾も孕んでいた。




「だったら、僕なんかと飲んだくれてないで森田さん誘ったらいいじゃないですか。誤解、されても知りませんよ?」





いつもは直情方のくせに、変なところを気にするんだな。

わざと呆れたような声音で言うと、彼はけろりとした表情で僕を見た。





「森田くんは、俺と梶はまだ続いてると思ってるよ?」

「はぁ!?だって、僕とあんたが最後にシタのって一年は前でしょ!?」





あのとき、僕は突然捨てられたんだ。
彼が本気ではないのは知っていたけれど、僕は真剣に想っていて。
ずっと大切にしていればいつかは気づいてくれると、勘違い、していたんだ。


悔しいから、こんなこと、本人には言わないけれど。





「いーの。うざがられてるかも知れないけど、声掛けてくれるって事は、諦められてる訳じゃないから」

「あんた、どんだけマゾい恋愛してんですか」





僕に反論もしない瞳が、揺れていた。





「俺さ、」





助けを求めるような、迷子の子供のような視線を僕に向けたまま、小さく息をつく。





「森田くんのこと、好きでいちゃ、いけないのかな」





カッとして、と言えばそれまで。
考えが追いつく前に、唇を重ねていた。


彼を傷つけると、知っていて。





「許しません、から」

「…え?」

「人のことこんなにしておいて、諦めたりしたら許さないって言ってんの!!」





きょとん、というよりは呆然とした表情の彼を腕に抱き込み、あやすように背中を撫でる。

だって、薄い肩が、脆い背中が、震えていた気がしたから。





「僕にとってはね、紫色はあんたなんですよ。変な意味じゃない。初めて見たときから、ずっと思ってた」





ぐす、と彼が鼻をすする音が聞こえて、少しだけ笑みがこぼれた。





「梶、ヘンタイだな」





へたくそな笑顔が愛しくて、でも、これ以上は触れない。





「あんたに言われたくないです」




気持ちなんて、知らないふりをすれば案外楽に過ごせるんだ。


だから
僕の頬を伝うものを、僕も彼も
知らないふりをした。










Purple line, let me setup my world! 誰も歩いたことないthis way,
希望抱いて 未来を見つめ続けている
願いこめて my progression.
けしてあきらめないで 勝ち遂げてみせる
真実の purple line.





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「purple Line」:東方神起
3rdアルバム「T」収録曲





あんまり歌詞にストーリーが添わない方向で。
というか、頑張っても添わなかった(笑)

個人的に祥ちゃんのイメージソングなんです^^

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あきゅろす。
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