海の青と月の気持ち 〜 QUEEN
ふたり
あれからアタシたちは一緒に旅をしてきた
空を舞う空色の不死鳥、マルコ。昼も夜も太陽の輝く空のカケラを纏っているその姿に見惚れているのが好きだった
そっか....アタシあの鳥に一目惚れしたんだった。でも、マルコには内緒にしておこう
気ままに空を舞いながら眼下の海を見れば、すぐに見つけてしまう、白いゆぅ。そう言やぁ、波頭だって白いじゃねぇか、やっぱりゆぅは海のカケラだよい
時々、深い海の色に染まり、俺と空を舞う。ある日、ふざけたゆぅがそのまま海に飛び込んだら、外見が入れ替ってゆぅの姿の中に俺たちはいた
生身で海流に乗って泳ぎまわる事に高まった心は、初めて空を飛んだゆぅのそれと同じだった
空を舞うようになった海のゆぅ。魚たちと戯れるようになった空の俺。俺たちは水平線を超えた....ROUGEのメッセージのように
それでも、俺たちの旅は水平線の上。海ではないゆぅと一緒に....
空じゃないマルコと一緒にいられるから。今、1番好きなのはやっぱり船の旅。月を眺め、太陽と風を体いっぱいに浴びる。同じ事のない波の模様や嵐だって楽しい
だいたい、海の中や空の上じゃ、飲んで食べて歌って踊ってってできないじゃない?
甲板でそんな事を考えていると、空の散歩から帰って来たマルコが後ろからそっと抱きしめてくれた
「ねぇ、いつまで一緒にいるつもり?」
どうしたって、素直に甘えるなんてできないアタシ
「海賊が手に入れた宝を手放すわけねぇだろうがよい」
すぐ横でニヤリとするマルコの顔。そんな照れ隠しみたいな言い方にアタシは嬉しくなる
もうアタシは独りじゃない
そっと、胸にしまって見ずにいたけど
やっと、夢が叶って手に入れた
ずっと、欲しかった宝を
大好きな人がいつまでも一緒にいてくれる
「ありがと、マルコ。アタシに宝物をくれて....ずっとずっと、愛してる。ずっとずっと一緒にいてね」
手を俺の腕に重ねて甘えてくるゆぅ。あんまり自覚はしてねぇみたいだが
死なねぇ俺達の『同類の情』は、いつまでも消える事のない、ホントの愛情ってやつだ
そう言ってやれる日はいつになるかわからねぇが、これからの永い時間ずっと一緒に過ごしていくうちに、ポロリとこぼれたりするんだろう
「ああ。不安になったらいつでも聞きゃぁいい、何度でも答えてやるよい」
腕をほどいてこちらを向かせると、俺はゆぅの頬に手を添えて顔を近付ける
「いつまでも一緒にいてやるよい」
言葉で表しきれないほど....愛してる
「不安」なんかじゃない
いつも同じな、その答えが「嬉しい」から
だからアタシは今日もアナタに尋ねるの
ねぇ、ずっとアタシと一緒にいてくれる?
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