星空の瞬き
月の明るさ
颯斗と校舎の玄関に降りるとまだ月子達は同じ場所で楽しそうに話していた。
私達が外に出ると月子が気が付いて振り向きにっこり笑ってこっちに手を大きく振る。
「あ、星羅ちゃん!!待ってたの!!一緒に帰ろう?」
純粋な笑顔を私に向け、月子が星羅を呼ぶ。
「うん。颯斗も一緒だけど良いかな?」
勿論だよ。2人は仲が良くてうらやましいなぁなーんて月子は言う。それに錫也くんも哉太くんも同意を示す。
…2人とも嘘つきだなぁ。月子と仲良く出来れば私の事なんてどうでも良いくせに。
歩きながら錫也がふいに私達に聞く。
「そうだ。明日俺たちとお昼ご飯食べないか?」
「颯斗も一緒に食べて良いなら…」
颯斗は?ていう目を向けるとにこりと笑い肯定する。
「勿論だよ。青空君なら大歓迎だよ。いつも月子が生徒会でお世話になっているし。」
ツキコガオセワニナッテイル…錫也くんの言った言葉が頭の中で反響する。私の方が同じクラスなんだからお世話になってるのに。
颯斗は私の一瞬の動揺を見逃さなかった。
「えぇ、どちらかと言えば星羅の方が月子さんより世話をしているのですが。」
すると錫也はあぁ、そうだねと同意する。
ほら、錫也くんにとっての私ってそんな程度でしょう?
「ねぇ、どうして今日いきなり明日のお昼に誘ったの?」
「月子が久しぶりに食べたいって言ってたんだよ。」
…ほら、ね。そうやっていつも月子月子って私の片割れの事ばかり。
「星羅、忘れ物をしました。校舎に戻りたいのですが、良いですか?」
「うん。良いよ、戻ろう。」
「え…星羅ちゃん、戻っちゃうの…?」
月子が悲しそうな顔で聞く。
「別に星羅まで行かなくても良いだろ。」
哉太がすかさず月子のフォロー。
「ごめんね。また明日。」
私は颯斗と校舎の方へ戻って行く。
月子達の静止の声を聞きながら。
(月は明るい。)
(だから皆月が大切なんだ。)
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