星空の瞬き
私の世界
放課後が終わるチャイムを聞きながら窓の外を眺めている少女、姫こと夜久星羅。あぁ、もうすぐで迎えが来るかな…と考えながら。
彼女が待っているのはクラスメイトで親友で姫の従者と呼ばれている青空颯斗。
彼は今、生徒会の仕事で生徒会室に行っている。先に寮に帰って良いです…と言われたが、1人で寮にいる気分ではなかった為、待っているから終わったら教室に迎えに来てよ…と頼んだのである。
ふと、空から目を逸らし、下の地面の方を見ると双子の片割れである夜久月子と私と彼女の幼馴染である東月錫也と七海哉太の姿。…私の最も大事な人達であり、
ーーー最も嫌いな人。
「はぁ…」
今日はついてないなと思った。なんでこんな疲れている日にあの3人の姿を見なければいけないんだろう…と心の中で悪態をつく。
そんな私の悪態を知らないで笑いながら歩いている3人。なんて幸せな奴らなんだろう。
「そんな大きな溜息をつくと幸せが逃げますよ。」
ふいに後ろから声がかけられて少しビクッとしてから後ろを振り向く。
「何よ颯斗。いきなり声かけないでよ…びっくりしちゃったじゃない…」
そう私が言えば、颯斗は少し笑ながらごめんなさいと謝る。…全然悪く思って無いでしょう…
そして寄って来て私がさっきまで見ていた所を見る。まだ3人はさっきと同じ所で喋っていた。そして一言行きましょうと言って私の鞄と私の手を取って歩き出す。
「待ってよ颯斗。速いよ。」
「…ごめんなさい。」
颯斗は謝って歩くスピードを落としてくれた。そしてまた一言。
「…ごめんなさい。僕がもう少し早く来れば良かった…」と。
あぁ、ここには私を心配してくれる人がいる…
「颯斗が居てくれれば私は充分よ。」
それに一応隆文も居るしね、と私は笑ながら付け足す。隆文がこれを聞いたら一応とはなんだと怒る姿を想像しながら。
(沢山なんて望まない。)
(私の世界は大きくないから。)
(でも本当は羨ましい。)
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