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黒子
ため息まで白い 日向 切?
部活後の帰り道、
この時季になると日はもうすっかり落ちて、辺りは真っ暗だった。
マフラーをしっかりと巻きつけ、早足で前へと急ぐ。

澄んだ冬の星空はとても綺麗だ。
いつまでも見ていたい、でも寒いのは好きじゃない。
上に光り輝く星を見上げて、歩く。


「紺野 ?」

名前を呼ばれた、振り返ると同じクラスの日向がいた。

「なにしてんだよ?前みねーとあぶねーぞ。」

「星。」

「星?」

「星見てたの、綺麗じゃない?」

日向も上を見上げる。
そしてああ、確かにと呟いた。

「つくづく思うけど、お前って変なやつだな。」

「なにそれ、変じゃないし。」

「いや、変だって。気づかないだけで。」

「日向に言われたくない。」

「はあ?なんで。」

「クラッチタイムのとき、日向おかしいもん・・。」

日向が少し驚いた顔をした。
しまった・・・喋りすぎたな。


あたしがよく練習を見てること、
たまに試合を見に行くこと。
バスケに夢中なあんたは気づいてないんだから。


「なんで知って・・・ああ、よく見てるもんな。練習とか、試合とか。」

(知ってたんだ。)
ちょっとうれしかったりもする。
でも、気づかれないように普通に振舞うのは、
あたしのプライド?

「うん。まあね。」

「もしかして、好きなの?」

「へっ!?」

「バスケ。」

(ああ、バスケ・・・バスケね。)

「・・・そういうわけじゃあ・・・。」

「あ、そうか!」

ひらめいた!と言うように、日向は手をたたいた。

「好きなやついんだろ?バスケ部に。」

「・・・・。」

「あ、図星?」

的を射てるんだけど、ずれてるんだよね。


「うん。」

「マジで?誰?」

「そうだな・・・。鈍感な人。」

「鈍感・・・?(小金井?)」

「そして、今日向が考えてる人と、別の人。」

「なんで分かるんだよ。俺の予想。」

分かるよ。
だってあんた、みじんにも自分の事だって思わないでしょう?









ため息まで白い









(ホント、鈍感なんだから。)

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