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捧げ物

鈴虫の綺麗な鳴き声が響き渡る秋―――楊修は友人・欧陽玉のいる工部侍郎室にいた。

「ったく、何なんです?あの鶏頭は!あの建物の意匠がどんなに素晴らしいかわかっていない癖して!それに私の名前は玉だっつってんですよ!」

この部屋の持ち主・欧陽玉は菅尚書への鬱憤を楊修へぶちまけていた。

楊修は玉の愚痴が終った途端眉間に皺を寄せた。

「おい、玉…お前はもっと静かに出来ないのか?せっかくの鈴虫の美しい鳴き声が聞こえないだろう?」

それを聞いた玉も眉間に皺を寄せた。

「いくら貴方が鈴虫の鳴き声が好きだからって少しは友人の愚痴に付き合ってやろうという心掛けはないのですか!?」

もう信じられません!と言う玉に楊修は意外な言葉を言い放った。

「誰もそんな事言ってないだろう?確かにこれ以上は鈴虫の鳴き声の邪魔 だからな…仕方がない、お前が鬱憤を晴らす為に1つだけ願いをきいてやろう。」

玉は仰天した。

「どうしたんですか、今日は。不気味ですね…何か悪い物でも食べましたか?」

楊修は苦笑しながら言った

「おいおい、私がそんなことするわけないだろう!…これには私自身も驚いているよ。」

楊修は窓の外に目をやりながら呟いた。

「………銀杏の葉が降ってるからかもしれないな…」

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あきゅろす。
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