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捧げ物

―――次の日

楊修は玉との約束を果たす為に絳攸のいる吏部侍郎室へ向かっていた。玉からのお願いは次のものだった―――

『…貴方は確か吏部の覆面官吏でしたよね?でしたら是非、李侍郎を私の美的感覚を最大限に駆使してコーディネートしたいのです!李侍郎は素晴らしい容姿を持ってらっしゃるのに装わないなんて勿体ないですよ!まず、髪は―――(延々と続くので以下略)』

これを叶えるならまず絳攸が玉の元へ向かわなければならない。

(あの時気を良くして願いをきいてやるなんて言わなければよかったな)

そんな事を思いながら目的の人物がいるであろう部屋の戸を叩いた。

「李侍郎、楊修です。入りますよ」

入室許可の返事をきかないうちに入る。

「……なんだ?なんか査定の書簡でも持ってきたのか?」

今日も相変わらず麗しい美貌を不機嫌そうに歪めている李絳攸は楊修に目もくれず俯いて筆をひっきりなしに動かしている。楊修は目的を果たす為に絳攸に書簡を渡した。

「ええ、まあそんなところです。後でこれを工部に届けて欲しいのですが」

「わかった。他の書簡に混じらない様にどこかに置いてくれ」

「はいはい、それと今日の昼までに届けて下さいよ?そうしないと欧陽侍郎が五月蝿いですからね」

それを言い残すと楊修は侍郎室から出た。目的を果たした楊修は さっさと査定場所に戻って行った。

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