ハピネス -6- 朝、起きるとファックスが入っていた。 『父、帰る』 ニューヨークからだった。 『ボンジュール〜』 もう一通は母からでフランスからだった。 「来週だっつってなかったか」 父親が二、三日中に帰ってくるらしい。 だが、このファックスあてになどならない。 こうやってファックスで連絡してきても何にも意味がない。故に本当 に帰ってくるなんて怪しい。 帰国はしていても東京の事務所に寄ってもこっちには帰ってこないかもしれない。 期待外れ慣れしているせいか一応頭に入れておくもののすぐさま丸めてくず籠に放り投げていつものごとくトーストを焼いた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |