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短編集
+真実は何処
どうせ叶わないと、分かっていた。

先輩の視界に俺は入らなくて。先輩の視界には、いつもあいつで。
俺は、自分を殺しながら、彼らを見る事しか出来なくて。
幸せそうな先輩の笑顔が、胸に刺さる。

「あ、レン君」

罪のない笑みに、また胸が重苦しくなる。

「ミク先輩」

なるべく悟られないように、慣れた作り笑いを浮かべる。

「どうしたの?いきなり呼び出したりなんかして」

きっと、先輩も分かっているんだろう。
それでも先輩は、わざとらしい、ベタな台詞を並べる。

「聞いて欲しい事があるんです」
「うん」

俺が真面目な顔をすると、先輩の顔から笑みが消える。

「―俺、先輩の事が好きです」
「…え?」

先輩は、びっくりした顔をしているが、俺の台詞が予想と見事ぴったりだったのだろう。
先輩の口元は、うっすらと笑っていた。

「で、でも、私…」
「分かってます。先輩に想う人がいる事位」
「レン君…」

それでも、やっぱり。

「でも、言っておきたかったんです」

そう言うと、俺は先輩から目を逸らすように下を向く。

「…レン君」

先輩に呼ばれて、顔を上げようとすると。

「―――――」

先輩が耳元で囁く。
先輩の綺麗な青緑の髪が、視界の端に映っている。
先輩が、いつもそう思っていたなんて。

先輩は、本当は××××。
知らなかった。
知ってしまった。
知りたくなかった。

「…これからもよろしくね、レン」
「…うん」

それでも、俺らの関係は、変わらないまま。


end.


分かりづらいですねw
設定的には、クオミク←レンです。
ただ、ミクの本当に好きな人はレンなんです。
なんて複雑/(^o^)\

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あきゅろす。
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