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地獄へ行こう





あはははははは

ひょっとしてババ??

のりこちゃんあーやしーい


楽しそうな女の子たちの声が響く―――



「ダメよ…!」



ヒカリは言った




友達のお誕生会―――


ロウソクの火を消したら帰ってこいと
兄に言われたヒカリだったが……


今ヒカリの手の中には一枚のトランプがあった




「今一番勝ってるから抜けらんないよぉ!」












bV 地獄へ行こう









「いいからさっさと帰ってこい!!」


ピッ!!!


太一は一大事だというのに
なかなか帰ってこない妹に
苛立っていた


「え〜!!わざわざお誕生会に行った
ヒカリちゃんまで呼ぶの????」

時雨はそんな太一に言う

「当たり前だろ?!
あいつだって戦えるんだ」


次次次!!!!


カチャカチャカチャカチャ……

光子郎はひたすらパソコンをいじっていた



「ひ、ヒカリちゃんかわいそうだねー
こんな兄貴もって………」


「ん?なんか言ったか??」


「うんん。何も言ってないよー」


ピピピピ……

高速で子機のボタンを押していく太一


だが


プー…プー…プー…プー…


「話し中!???」

「あ、トイレにいるんだね!」


そして


プー…プー…プー…プー…


「あ、…あ〜…また話し中だ…」

「トイレだよ!きっと!」


プー…プー…プー…プー…


「丈んとこも…」

「きっとみんなでトイレしてるんだよ!」


プー…プー…プー…プー…


「や、ヤマトんちもかよぉ〜!!!」

「ヤマトもきっときばってるんだね!」


ピッ


「みんな話し中なんて
おかしいだろ……」

肩を落とす太一

「仕方ない!!みんなお腹が痛いんだし!」

なぜかガッツポーズの時雨


「なぁ時雨。」

「なーにー?太一ぃ!」


「なんでトイレなんだよ?!」


「うるせぇー。とっさに思いついたのが
トイレなんだよ。」


みんなの家はすべて話し中だった

あまりにもタイミングが悪すぎる


カチャカチャカチャカチャ…

光子郎は黙々とパソコンを打ち続けていた


「くそぉ……」

「集まることできるのかな…?」


太一と時雨は
半分どうでもいい状態になっていた


「太一さん!空さんにはかけたんですか?」


不意に光子郎が
太一にとって
あまり触れられてほしくない人の
名前を口にだした―――


「………?」

空がどうしたんだろー?

勘の良い時雨はとっさに
太一と光子郎の表情から何かを察知したが
あえて突っ込むことは避ける事にした


―――今、
話をごちゃごちゃにするのはよくないしね


「かけたよぉ〜。でもぉ……」


太一は情けない声で答える


―――くそっ……

時雨には一番かかわってほしく
ない事なのに……



その時だった


プルルルル…プルルルル…


「「で、電話だぁ!!!!」」


子機が鳴った


「もしもし!!!!」


誰からだ?!!
いや!!誰でもいい!!!!


太一は速攻で子機を手にした

時雨も声が聞こえるように
子機に耳を近づける―――



しかし―――


その電話は誰からのものでもなく




『もぉ〜しぃ〜もぉ〜しぃ〜もぉ〜……』




敵からのものだった


「た、太一………?」

「や、やべぇ〜!!」


思いもしなかった敵の電話に
焦る太一と時雨――――


今、東京中のすべての電話が鳴っていた

携帯、公衆電話………


「どぉなってんだよ〜!???」

「どどどうしよう〜!!!!!」

もう何がどうなっているのか
全く分からない2人―――


「奴が電話の交換機に潜り込んで
電話をかけまくってるんですよ!!!」


光子郎はパソコンをうつ手を止めることなく
そんな2人に言った


「回線をパンクさせる気なんです!!!」


カチャカチャカチャカチャ……


「えぇぇぇええ!!」

そ、そんなことしたら………


「ヤべぇだろ?電話がつながんなきゃ
みんなと連絡とれないし…!!!


インターネットだって……!!!!」


最もなことを叫ぶ太一


しかしその時―――



ポンっ!!!



「あぁっ…………!!!」


光子郎の手がようやく止まった


「「えぇ??」」


光子郎の動きが止まったことに戸惑う2人

そんな2人の方に
光子郎はゆっくり振り返った




「切れちゃったぁ…………」




「「ぇぇぇぇぇええええええ?!!!!」」


最悪だ!!

なにもできないよー!!!!




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