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悪戯最前線





ドタバタドタバタ!!!!



「ヤ、ヤバいぞ!!ヤバいぞ!!!!」



試験に間に合ったのは間に合ったけど……





時間がない!!!!!












bU 悪戯最前線 











『大丈夫か??アグモン!!』

『テリアモン………テリアモン!!!』

『テントモン………!!』


太一、時雨、光子郎は
傷ついたパートナーを
画面の向こう側から
ただ見守ることしかできなかった――――


「ごめんね…時雨。あいつを倒せなくて……」

「ホントにごめん。僕なら大丈夫だよ。太一……」

「あいつ…とんでもないやつや……」


一方デジモンたちは敵の強さを痛感していた


自分たちの攻撃が全く効かないなんて……

たとえ相手が完全体であったとしても



「はぁ………」


太一は大きなため息をついた


「どうすんの??」

時雨はそんな太一に悲しそうな目を向けた


「どうするったっても……」 


時雨………

そんな顔するなよ

俺の方がつらくなる……


「大丈夫だ、時雨。
完全体と究極体になればあいつなんか
絶対に倒せる。」


太一はそういってニッと笑って見せた


「だね。」

そんな太一をみていくらか
笑顔が戻った時雨



しかし

2人の笑顔はすぐに消えてしまった


「はぁ…さっきの進化さえ出来てれば……」

「後悔しちゃだめだぞ、太一」

「でもさ……」


パソコンをいじりながら
光子郎はそんな2人をじっと見つめていた


「くそぉっ!!!!」


ドン!!

太一が床に拳を叩きつけた


「進化中に手ぇだすなんて、汚ねぇじゃねぇか!!」


「………。」


―――そうだよ。

あいつは卑怯すぎる……


でも

あいつはそういうルールが分かるような
相手じゃないんだ……


時雨は太一を見ながら
デジモンたち同様
敵の強さを痛感していた



「あ…」

不意に光子郎が声を上げた


「時雨さん、太一さん。
オーストラリアの男の子からメール着てますよ。」

「メール?」

時雨は光子郎のパソコンをのぞいた



「デジタルモンスターなんて初めてみました。だって……」



「へぇ〜……」


ん??

―――見ました???



「光子郎……
もしかして今の戦い見られてた??」

「そうみたいですね」

「見てたのか…………」



最悪だ……

私たち何にもできなかったのに……



カチャカチャ………


光子郎は次のメールを開けた


「こっちはシンガポールから…



3対1なのに負けるなんて弱すぎる。」



「一回死んでこい」


「だな。」


キレた時雨に同意する太一


「…………。」


光子郎はあえて何も言わなかったが
腹が立っているのは二人と同じだった


自分たちでも十分わかっていることを
あえて言われると腹が立つ

でも言い訳はしたくない


「あっ!」


光子郎は着信メールの一覧の中の1通に
カーソルを合わした


「クラゲからメールが……!!」


「あいつからぁ??」


ムカつく―――

いちいちメールなんか送ってきやがって…!!


「なんて書いてあんの??」

時雨は光子郎に尋ねた

「えーとですね……」


メールが開く―――


ポン


クラゲからのメール


本文は比較的シンプルなものが
ただ延々と書かれているだけだったが
時雨たちを一層イライラさせるには
十分なものだった


「もしもしもしもし?」


「なぁ、光子郎?
このパソコン折っていい??」



時雨は指をコキコキと鳴らし
ながらパイナップルのパソコンへと
近づいて行く


「えぇぇぇぇえええええ!!
や、やめてくださいよ!!
こここここんなメールに怒るのは
すごいわかりますけど!!!」

必死で時雨をパソコンに近づけまいと
ガードする光子郎


だが


「っっっ!!!!!////////////」


気づけば時雨と
必死でガードしていた光子郎は
ほとんど抱き合う形となっていた……


時雨はパソコンの方へ

光子郎はそんな時雨を反対の方向へ

お互いが逆に勢いよく前進していたのだった


この場合
光子郎の方が時雨より少しばかり
背が低いため
光子郎の顔は時雨の肩ぐらいの
所に納まっている

手はというと
どちらも前に伸びきったままだった



「こ、光子郎っ!!!」


太一はそんな2人を見て
ただ怒りの叫びを口にすることしかできなかった


最悪だ……

光子郎のバカ野郎。あとで覚えとけよ?



時雨はというと
まだパソコンへ向かって前進していた……


「時雨さん!時雨さん!!」


顔が真っ赤になった光子郎が叫ぶ―――


「時雨さん!!落ち着いてください!!!」

光子郎は時雨の腕をつかみ
自分の体から離した―――


「わかったよー」


ようやく時雨は
パソコンを折るのをあきらめた


―――し、死ぬかと思った……

心臓がまだドキドキしてる………


太一は顔を真っ赤にする光子郎をひたすら睨んでいた



「んで?もしもしが結局なに??」



苛立ちを隠せない太一は
ぶっきらぼうに光子郎に聞く


「あっ……メールですか…?」


光子郎は深呼吸をしてみたが
それでも速くなってしまった心臓の鼓動は
治らなかった


「このムカつくメールってやっぱり
なんか意味あんのかな?」

時雨は言った


―――――意味ですか……


「………。」


光子郎は少しそのメールを眺める―――


「あぁっ!!!」


「!!!?」

「!!!!」


光子郎の叫び―――


それは
光子郎のさっきまでの
ドキドキを吹き飛ばしもし

太一の苛立ちも吹き飛ばした



「なんだ??」

「?????」

太一と時雨はすぐさま
光子郎のそばへと駆け寄る


「大変ですよ!!!
アドレス見てください!!!!」

そう言って光子郎は
メールのアドレスが書かれた部分を指差した


そして―――


「奴は今――――


NTTにいるんですよ!!!」





「はぁ!!?」


「NTTぃ?!!」


目をまん丸にして聞き返す
太一と時雨



―――まずい…!!

よりによってNTTに入られるなんて!!!



光子郎は瞬時に判断した


「太一さん!時雨さん!」


「早くみんなに連絡を!!!」



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