機械娘は気持ちを探す #4 アジト、基地、拠点。これらの単語を聞いて、何を思い浮かべるだろうか? 大抵は地下、秘密、大型などだろう。 しかし、小さな組織に当てはまるのは秘密だけだ。リージュの案内された反政府組織のアジトは町の外れにある穀物倉庫を改装して使っている。しかし、レジスタンスにしてはやたらと警備にスキがない。 その薄暗い室内。この地域では珍しく、露出の多い装束を纏っているが、おちゃらけた感じは薄い。そばにはAKが立てかけてあるなど、むしろ凛々しい雰囲気のほうが濃い女性が、奥の木箱に腰掛けている。 複数の男達に囲まれながら、ひんやりとしていて外とは空気が違う倉庫跡に踏み入ったリージュは女性に歩みよる。床が、軋んだ。 「あんたが、欠番達だって?」 まだそんなに近づいてはいない。しかし、威圧感がひしひしと伝わってくる。 「はい」 「ふぅん……そうかい。で、この首領ミハイルになんのご用かな? お嬢ちゃん」 女性は言葉、目づかい、さらに足を組んだりと挑発的な姿勢をとる。 「おっと、先ずは名前を聞いたほうがいいかな?」 リージュとしてはどちらでもよかったのだが、 「No.000 光音リージュ」 一応、名乗っておく。 「ヒカリネ? 変わった名だね。まぁいい、じゃ、改めて用件を聞こうか」 ミハイルはニヤリと笑う。 「ある男の情報を知りたい」 「ある、男……?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |