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機械娘は気持ちを探す
#2
紛争地域。現在、中東がその代表となっているのは習知の事実だ。
 近年、中東は新たな政権が確立され、反政府組織、いわゆるゲリラの活動が更に活発になった。
 中枢都市から離れた小さな町や村では、そこら中火薬と死の臭いでうめつくされている。
 中東の特にテロが激しい一国、新興国家タジスタン。国王を持たず、民主主義が採用されているこの国では旧国王派を中心とする反政府組織が数多く点在する。
 首都より南下すること80kmの廃れた小さな町に水色の瞳をした少女が歩いている。
 少女は現地の装束を纏い、そして肩には現在でもこの地域で運用されているアサルトライフル、AK47を背負っている。
 AK47は1947年に旧ソビエト連邦軍が制式採用した歩兵携行用火器だ。重量約4kg、全長約90cm。 使用弾薬は7.62×39mmという大口径であり、反動が強い。しかし、生産が容易且つ安価で、旧東側陣営の多数諸国に影響を及ぼした為、時代に捕らわれず殆どの紛争地域で目にすることができる。
 被っているフードからはみ出す長髪は目の色と同じく、水色。
 時折吹く風は舗装されていない道の砂を巻き上げ、視界を妨げる。
 少女は石畳の敷かれた小さな広場にでる。恐らく、ここがメインストリートなのだろうが、人影はない。砂煙だけが虚しく渦巻いている。
 広場から見える石造りの建物は最高で二階立て。中にも人の気配はない。しかし、水瓶に残る水、干したまま放置された衣類たなど、残された物が最近まで人がいたことを物語っている。
 少女はそれらを一瞥また、歩を進める。

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