物語
いばら姫 (銀時夢 キリリク 童話 死 切甘 ゆう様
これは、昔々の小さな物語。
とあるところにそれはそれは美しい、なまえ様と言う姫がおったそうな
______
「ぎーんとき、あそぼ?」
にこにこ笑う、この少女はなまえ。一応、この国の姫だ。
そして、俺は坂田銀時。
姫の教育係兼護衛だ。
小さな頃からずっと一緒で、でもこの気持ちに気づいたのは最近で、いや何が言いたいのかわかんねーけど、
俺は、こいつのことが好きだ。
__ただ、なまえは姫で、俺はただの侍で、叶わない恋だけれど、それでも幸せだった。
''だった。''
幸せは、長くは続かない。
願えば願うほど。
「どうしたの、ボーッとして?いつも、勉強サボるなってうるさいのに」
「わりぃ、考え事してた。」
「どーせかわいい女の子のことでしょ。」
拗ねているなまえはかわいくて、抱き締めたくなる。
「まぁ、そうだけど、なまえのことなんだよね〜」
「う、うるさい!」
照れた顔もかわいくて愛しさが込み上げる。
「姫様、バイオリンのお時間でございます。」
「あ、きちゃった」
じゃーまたあとで、すぐ終わらせるから、待っててね
パタパタとかけていく
一人になった俺は、ふと昼王に言われたことを思い出した。
『銀時殿、ひめのことだが...』
『何ですか』
『実は、嫁にやろうとおもう。』
......は?
『わかっておる、そなたがなまえを愛しておることも、なまえがそなたを好いておることも。』
『では、なぜですか。っ、俺が、気に入らないのですか!?』
『我が国は、力がない。このままでは、国は滅んでしまう。そのことは、我が姫も望むまい。』
...わかってくれ、銀時殿。
....わかるわけねーだろ、コノヤロー
「ぎ、銀時、銀時?」
「おう」
「戻ってきたよー」
「遊びますか、庭に出ようぜ」
...「あのさ、銀時、すきだよ。」
「知ってる。」
「え?」
「ばーか、告んのは男の俺からだろ?」
「俺も、好きだし愛してる。」
「知ってる〜」
「仕返しかよー」
「....ね、ずっと一緒にいられるよね?銀時と一緒だよね?」
「ああ、何があっても俺が守るし、どこまでも一緒だ。」
二人して、照れてしまう。
______「おばーちゃん、続き続き!!」
「お姫さまと銀時は、どーなんの?」
「それはね、」
婚礼の前夜、なまえと銀時は、二人で逃げたんだ。
いばらの森の、奥深く誰も来ないようにね。
ただ、森にはたくさんの恐ろしい狼がいてね、
二人に襲いかかったんだ。
銀時は、必死で戦うけど、相手の数が多すぎて、だんだん崖に追い詰められてしまうんだ。
そうしたら、姫はこういったんだ。
「銀時、もう無理だよ。」
「バカ野郎、諦めんな!」
「だってほら、ラッパが聞こえる。お父様が気づいたのね。....ね、この世で結ばれないなら、天国に行こう?」
きっと、しあわせになれるよ
なまえは寂しそうに笑う。
っ、.........
二人は、深い深いキスをする。
「「愛してる。」」
どちらの声かもわからずに、二人は飛び降りた。
強く、強く抱き締めながら。もう、離れないように。
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