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テニス界のお姫様
story8



朝食を食べ終えて、跡部の専属執事のミカエルさんの運転で、私の新しい住まいに来た。


『わぁ……さすが跡部だね』


「あ〜ん?気に入らなかったか?」


『いや、でもさすがに一人暮らしでこの部屋は広すぎるかな、と思っただけだよ』


「そうか?普通だろ」


『……………跡部の普通は、私の普通とはかけ離れてるんだね』


「ほら、これが鍵だ」


『ありがと。』



跡部が用意したマンションとは、50階建ての……


つまり、高級マンションなのだ。


しかも、最上階。


落ちたら即死間違いなし。


セキュリティシステムも万全になっている。


暗証番号を入力し、指紋認証システムも搭載してある。


その上、監視カメラはもちろんのこと


不審者が侵入したら即、警報が成り


警視庁に連絡が行くようになっている……らしい。


とにかく、私が安心できるようにと


跡部自ら選んでくれたマンションらしい。



『ね、跡部』

「なんだ?」

『どうして、ここまでしてくれるの?』

「あ〜ん?」


ずっと気がかりだった。なんで、昨日会ったばかりの私に対して、こんなにも優しくしてくれるのかが……


「何でだろうな」

『………?』

「お前みたいなやつは、初めてなんだよ。

だからかもしれねぇな。」

『跡部?』

「景吾だ。」

『……景吾。』

「なんだ?」

『ありがと。』

「ああ」


景吾の笑った顔は、とても綺麗で……


それでいて、どこか……寂しさを纏っているような気がした。




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