NOVEL
2

次におばあさんを見て

「なんと美しいレディなんだ〜♪。あなたのような素敵なレディに出会えたなんてボクはなんて幸せなんだ!あなたのお名前は?女性にお歳の事を言うのは失礼ですがあなたはまだまだ充分過ぎる程お若い。ボクがあと20歳程成長したら(ボク只今0歳!)是非お付き合い願いたい。ボク達が出会ったのはきっと運命なんだ。僕達は☆!$&*♂%◇△♀×=¥♪?〜!。」

余りの訳の解らないマシンガントーク(しかも0歳児の。)におじいさんもおばあさんも絶句。

しまいにはイラッとしたおばあさん。

手を咲かせ男の子の口を抑えました。

その光景に苦笑したおじいさんが言いました。

「まぁまぁ、言いたい事は沢山あるだろうがあんまり長くなるとアイツらに文句言われるからよ。あーもう面倒くせぇ!おい、テメェの名前は今日から桃太郎だ。いいな!」

「あん?ふざけんな!なんだそのクソダセェ名前。どうせ桃から生まれたから桃太郎とか言う安直な発想だろう?単細胞が!オレ様にはサンジって立派な名前があるんだよ。誰が桃太郎なんて!第一アイツらって誰だよ?文句ってなんだ?意味解んねぇ。これだから!!?」

「いい?あなたは今日から桃太郎よ。おわかり?」

「……はい…。」(おばあさん怖い…。)


そんなこんなでサンジこと桃太郎はおじいさんとおばあさんの家でスクスクと成長して行きました。

そして(時間の都合上)あっという間に見事に美しい青年になりました。

何故か妙な色気を振り撒く青年になった桃太郎。

当然のようにその色香に惑わされる殿方が後を断ちませんでしたが、全て桃太郎自身の華麗な脚技で玉砕されておりました。


そんなある日。

町にコーラを買いに行ったおじいさんは都を荒らし回る鬼の噂を聞きました。

「オーイオイ、なんて可哀相な話なんだ。誰かスーパーなヒーローが助けてやってくれー!」

そう言ってボロボロ涙を流しました。
実はおじいさん。非常に涙脆かったのです。

一頻り泣いたおじいさんは買い物を済ませ家への帰路につきました。


家に帰ったおじいさんはおばあさんと桃太郎に町で聞いた鬼のお話をいたしました。

この話に怒ったのは桃太郎。

素敵な町のレディが困っているのを放っておく訳にはいきません。

「そんなクソ鬼の奴らなんかオレが蹴り殺してやる。何てったってオレは狩人なんでな。」

などと意味の分からない事を言い、突然鬼退治宣言をいたしました。


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あきゅろす。
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