ダイヤのA シングルベル(誰でも) 今日は、いつにもまして寒い。いや、心が寒いからか。今、私は一年マネの春乃と一緒に洗い物をしている。手が水の温度に慣れてしまったのか、水が温かく感じる。 「今年もクリスマスは部活かー。」 春乃「ふふっ、クリスマスなんて関係なしですね。」 「ま、いつものことだね。」 野球部にマネージャーとして入部してから、私はとっくに普通の高校生活をあきらめていた。イベントなんて、実際どうでもいい。とか言いたいけど・・・。 春乃「先輩、ひとりきりのクリスマスってシングルベルっていうんですよー!」 唐突に春乃が言い出した。誰だそんなうまいこと言ったの・・・。どうせ私は彼氏いない歴=年齢さ。 「でも、みんなが頑張っているとこみてるだけで、イベントなんて頭に入らないくらいだよ。それに、みんないるしね!!」 目を閉じると、町を彩るきれいな音より、ボールを打つ音、捕る音、掛け声がきこえてくる。 春乃「・・・先輩。」 大好きですっ!と言いながら、春乃が抱きついてくる。あー、あったかい・・・。 御幸「おーい、マネジャーー!ちょっといいかー?」 「おっと。はーい!じゃあ、春乃は後お願いね。」 春乃「はい!いってらっしゃい!」 こんなクリスマスだって、青春の一ページ。 (・・・まぁでも、来年はあの人と一緒にすごしたいな・・・、とかね。) #あとがき# 私もクリスマスはシングルベル♪部活ですー。 [*前へ][次へ#] [戻る] |