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短編+リク(00)
【眠り姫】アレロク


「…ロックオン」



「ん…」
僕は彼の瞼に口付けを落とした。
するとフルリと震えて、朝露に濡れた花が咲くようにゆっくりと開いた。

「……アレルヤ?」

ようやく見えたエメラルドの瞳
いつ見ても吸い込まれそうに綺麗だ。
「おはようございます」
「んー」
「ほら、目を閉じないでください」
「キスしてくれたら起きる」

いや、キスならさっきしたんですけど

どうやら気付いていなかったらしい。
僕は苦笑する。

「ちゅ」

「!」
「なんて顔してるんですか」
「まさかマジでしてくれるとは思わなかったから」
そう笑うと彼は勢いよく僕の腕を引いた。
「うわっ」
「よっ…と」
僕の身体を抱え込むように引き寄せる。

彼の腕は
手は
指は
とても繊細で綺麗だ

思わずぼーっと見惚れる。
「どした?」
「あなたの指と瞳は僕のお気に入りなんです」
「……あ、そう」
「照れてるの?」
「うっせえ」
年上をからかうんじゃない、と笑う。
浮かぶのはあなたの笑顔ばかりだ。
その笑顔を見るのが僕のすべてだった。

「キスで目覚めるなんて」

眠り姫みたいだ
そう言ったらあなたは、笑った。



ロックオン


あなたは今どこにいるの?
キスも出来ないなんて、そんなの




(眠っているあなたを起こすことが出来ない)





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あきゅろす。
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