それが恋だから それは変なのか@ 「うへ…えへへ……」 顔がにやけて止まらない。 太郎さんとの昨日の素敵なやりとり(クレームだけど)を、それこそ四六時中思い出しているからだ。 「七海…どうした?不審者みたいだぞ」 「よっ、亮平君!朝練ご苦労!今日も良い朝だね」 俺の前の席で親友でもある倉田 亮平は、席につくなり身体ごと俺を振り向いた。 爽やかバスケ野郎のアイドル顔が、それこそ不審者でも見るかのように歪められている。 「…今日、雨だし」 「あっそーお?いやいや、快晴だから!俺の心の中は!」 「なんかいい事でもあったんか?」 俺の机に肘をついて、苦笑しながら尋ねてくる。 誰かにこの喜びを伝えたかった俺は、格好のターゲットを見つけて顔を輝かせた。 「聞きたい?そんなに聞きたいか。しょーがないな」 「はいはい、どーぞ」 「謎のイケメンさんと、ついに言葉を交わしちゃったんだよー!しかも名前までわかっちゃった」 …ケー番のことは内緒。 一応、人として。 「ああー…本屋の客の、胡散臭そうなホストだっけ?ふーん」 なんだそんなことか、と呟いて亮平は前を向こうとしてしまったので、その肩をガッと掴んで阻止する。 [*back][next#] [戻る] |