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【朧月】


「── 口止め料だって? フザケンナッ!!」

 ピッタリとくっついてる大佐の躰をどうにか引き剥がそうと藻掻く。然し、強靭な軍人の躰はオレの力にビクともしない。

「…‥ そう暴れるな。直ぐに良くなる」
「………な、」

 何を言ってるのか解らない。
 口止め料とは本来相手に有益な物を渡す見返りに自分に不利益な事柄を黙っていて貰う事じゃないのか?
 これじゃあ只の脅しじゃねえか?
 いやいや、そんなツッコミしてる場合じゃ無いだろう? 人間、酷く動揺していると、下らない事に頭が冴えるらしい。
  そんな事を考えてる間に大佐が俺の口を塞ぐ。

「…… ンン!?」

 いきなりのキスに頭が真っ白になった。
 大佐の指先が俺のタンクトップを捲くし上げ、脇腹から背中へと撫でるのを感じ、襲われる恐怖が現実の物となる。
 まさか……? 冗談だろ?

「──‥‥ ハッ あ‥‥ヤダ」
「…… 何時もの威勢はどうした? 鋼の」

 必死の抗いも相手は余裕そうに一蹴する。唇を離そうにも、大佐ががっしりと後ろ髪を掴んでいる所為で無理だった。
 そうこうしてる間に、ベルトは緩められ、大きな掌が差し入れられた。

「──!? 何し……!!??」

 スルッと、慣れた手付きで陰部を晒されゆっくりとシゴかれる。そんな事、自分でもしたことは無かったのに。


「ヤ……──メロ」

 オレは、この言葉を口に出来たのだろうか? そう思う程に、大佐はオレの言葉を無視して上下に軽く捻るように繰り返される手の動きを止めようとしない。
 本気で止めて欲しいのに、躰は熱を帯び始めているのが判る。息が荒ぐ。

「ヤメ……、頼むから──!!」

 何時の間にか、拒否が懇願に変化していた。それなのに──。

「こんなに張り詰めさせて、それはないだろう?」
「ン── 、は …、はっ」

 ヒクヒクと、股間が疼く。恥ずかしくて恥ずかしくて、もう大佐に縋る他、どうしようもなくなっていた。

「ヤダ……、大佐。も‥ムリ…‥!」
「良いから。我慢せずイきなさい──!」

 初めての快楽にオレはどうする事も出来なくて、最後には大佐の大きな手に白濁を吐露してしまった。

「……こんなに出して、はしたないな。鋼の」
「ひゃうんッ!!」

 思わず声を荒げ喘ぐ。達したばかりだというのに、最後の一滴まで絞り出そうとするかの様に更に小刻みな刺激を与えられた。
 ビクビクと、背筋に掛け全身が痙攣する。直ぐに次の波が来た。抗がう術もなく、二度、三度と高みへ昇る。


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あきゅろす。
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