浮気×健気(リクエスト小説) 10 「お邪魔しまーす」 俺の家に着き、亮太は上機嫌で上がり込んだ。 それとほぼ同時に、誰かがリビングから出てきた。 「…あ、兄貴。と…亮太さん」 「あ、ただいま…」 「やぁ、宏樹くん。お邪魔します」 宏樹は、俺の弟。そして、俺と亮太が付き合ってることを知ってる唯一の人物。 「あぁ、どうぞ。ゆっくりしていってください」 そう言って宏樹は亮太に笑いかけたが、家族の俺にはその笑顔が作り物だということが一目でわかった。 宏樹は、俺が亮太の浮気に悩んでいることも知っている。 だから、亮太を嫌っているようだ。 「ひ、宏樹はこれから出掛けるんだろ?俺達に構わず、早く行きなよ」 どう見ても今から出掛ける格好だったので、そう言って話を打ち切った。 「…あぁ。じゃ、俺行くから。」 最後に宏樹は亮太をじろりとひと睨みして出ていった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |