小説:生徒会庶務の災難 12 職員室についても、書記の姿が見当たらない。 教室より生徒会室のほうが職員室に近いから、先に来てると思ったのだが… 「ごめ、ん…遅れて…」 暫くして、書記がきた。 「ああ、大丈夫だが…なんかあったのか?」 「副…会長、に…会った。泣いてた…」 「へぇ、副会長に…何か言われたのか?」 「…別に、何も…」 明らかに何かありそうだったが、特に触れないでおく。 「で、何がわからなかったんだ?」 生徒会室に向かって歩きながら書記に訊く。 「今度の…修学旅行、について…のプリント…」 あー… もうすぐ修学旅行か。 俺は修学旅行というものがあまり好きじゃない。 憂鬱な気分になり、溜め息をついた。 修学旅行中、転校生が何か騒ぎを起こしたりしないといいけど。 そして、ふと双子弟を思いだした。 さっき、転校生と一緒にいなかったな。 いや、あいつが転校生といる理由は兄といたいからだから、正確には兄といなかったな、か。 珍しいな。 一体どうしたんだろうか。 [*前へ][次へ#] [戻る] |