ごちゃまぜどころ
神様引退劇場
小ネタ
神様引退劇場
神様という職業につきかれこれ何千年。生きとし生けるものを慈しみ、生を全うしたものには新たな命を与え。そうして世界の調律師としてかれこれ幾千年。正直に言おう。
「神様ー?植物科の死亡リストですー。」
優しげな瞳をした天使のエマが僕に向かって書類の束を渡す。
「神様!至急こちらのデータベースに目を通して下さい!」
焦ったようにこれまた天使のヒューイが僕に遠くから声をあげながらデータを送ってきた。
「神様ぁー、これ、あれですー。地獄科の候補者ですー!なんか欠陥があったらしくってぇー」
なぜか色気の溢れる言うまでもなく天使であるイリーズは先ほど判を押したばかりの書類を目の前に投げ捨てる。
「「「神様!」」」
勢ぞろいで声を合わせられた。
うん。僕ね。もう。
「限界だああああああ!!!」
それがそもそもの始まりだった。
あれから、地球の時間単位でいうと数日後。
僕は人間の格好をしてグータラしていた。
皆さんはニートという存在をご存知だろうか?
そう、働いたら負けな気がする。そんな迷言を吐いた人間を筆頭に存在する駄目の象徴のことである。
僕は今、正にソレになっていた。
「グータラ万歳〜」
人間の姿を借りて、僕はまず最初に寝床を確保した。
地球という星のナチュール王国という小さな田舎町、そこの宿に一ヶ月分の宿賃を支払い毎日ひたすら惰眠を貪ることをしていた。
正直楽しくて堪らない。
うわっほーい。
僕は自由だおー!
ごろごろごろごろー。
人間の姿をしているとはいえ中身は元神様なので食事を取る必要はない。
なので本当に引きこもり生活をしている。
そう。僕はあの日、神様という職業を降りたのである。
ちゃくちゃくと下準備をして、後継者になりそうなやつを地味に育て、そしてあの日そいつに全てを押し付けここまでやってきたのだ。
グータラグータラ万歳〜!
うわぁーい。とい脳内ではしゃぎながらゴロゴロしていると、突然外が騒がしくなった。
え?!もうばれた?!もう居場所ばれた?!
と思って見たらなんてことはなかった。
「お客さん!餓死してないよね?!」
めっさ、心配されてました。
みたいなノリの神様が冒険RPG系の世界で無双する話を書こうと思っていたんだけど導入の部分で飽きた。
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