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「あれ…隊長?」
おかしい。隊長は確かにここに1人で残った。きっと、後悔を嘆いているんだろう。最初は1人にしてあげようと思っていたけど…やっぱり、隊長が心配で戻ってきた。(何故か)京楽隊長も一緒に。
私が執務室を出てからそんなにしていないはず。なのに……隊長の姿はなくなっていた。それに、やっぱりおかしい。開けっぱなしの窓に、散らばった書類。几帳面な隊長がこんな………まさか、
「う〜ん……僅かだが、部屋に残っていた桜井ちゃんの霊圧を追っていったんだろうねぇ。…無茶するな、彼も」
「そんな呑気に言ってる場合じゃないですよ!」
「いいんじゃない?僕の勘だけど……すぐに戻ってくるよ。きっと桜井ちゃんと一緒に。だから、とりあえずここを整理しよう。なーに、心配いらないさ」
京楽隊長はそう言って執務室を出て行った。
(彼の勘は、外れたことがない)
(だからきっと…)
「んもー…お願いだから、私だけ置いていかないでよね、みんなして…」
置いてかれるって、辛いんだから、 。
(名前は、呼べなかった)
(彼と私を繋ぐものは、脆かった)
(足りなかった)
(だから、彼の思想に気付けなかった)
後悔しても、もう遅い。
(だから、手の届くうちに…)
「さーて、片付け始めるか!!」
(早く、戻ってきてください。そして、)
(必ず、2人で帰ってきてください)
(一番に、2人の笑顔が見られますように)
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