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季節シリーズ
34.



「ううん、大丈夫。昨日はパソコンを触ってた時間が長かったからちょっと疲れちゃったのかも。心配かけちゃってごめん」

「そうか。ならいいけど」

少し身体を離し顔を覗き込むようにして聞いてきた彼は、僕の口から咄嗟に出た嘘を疑うことも無く納得すると再び僕を抱きこんだ。

「ちょ、ちょっと大輝。もう起きないと遅刻しちゃうよ」

「あぁ、それなら大丈夫。俺、今日は休講になったんだ。真妃も今日は3講目からだったよな?」

「そうだけど・・・・」

「ならもう少し、ゆっくりしよう」

その後に続いた「久しぶりに一緒に眠れたんだから」という言葉を聞き僕は嬉しくなり、昨日のことは心の奥に沈みこませ、彼の胸に顔を埋めた。


そのままギリギリまで本当に久しぶりに互いの熱を交換し合い、時間がきて慌てて準備をするとそれぞれ大学へと向かった。


「染矢君。探しちゃったよ」

3講目が終わり次の教室へ向かおうと出口に行くと“ドーン”と効果音が聞こえてきそうな佇まいで腕を胸の前で組んだ石川君が待っていた。

「いつもの場所に行っても居なかったから、思いつく限りの所、全部まわっちゃったじゃないか」

「あっ・・・・それはごめん」

「まさかだとは思うけど、染矢君。君、俺の事、信用していなかった?」

「あ〜・・・・信用していないっていうのとはちょっと違うけど・・・・あの話を聞いたら・・・」

「だから見くびらないでって言ったでしょ。とにかく話がしたいんだけど。今日の講義が終わったらいつもの場所で。いい?」

“いい?”と聞いてはくれているが逆らえる雰囲気ではなく、そんな石川君を初めて見た僕は思わず頷いた。

「じゃあ、また後で」

そう言うと彼は軽く手を振りながら去っていき、僕は慌てて次の教室へと向かった。


その日の講義を全て終え、約束通りいつもの場所・・・使われていない教室に行くと石川君はすでに待っていた。

「お待たせ」

「さっきはごめんね」

声をかけるなり謝られ驚いてしまう。

「今日、染矢君が3講目からだってこと忘れてて自分が勝手に探したのに責めるようなこと言っちゃて」

僕の表情を見た彼がシュンとした様子で言う。

「そんなの気にしなくていいのに。でも正直、避けられると思ってたから驚いた」

「だから見くびらないでって言ってるのに。俺は話を聞いたからってせっかく友達になれた人と離れる気は無いよ」

「・・・・でも」

「それより。俺、聞きたいことがあるんだ。でも、答えたくなかったら答えなくていいから」

僕の言葉を遮り、彼は少し言いにくそうに聞いてきた。





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あきゅろす。
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