季節シリーズ
24.
「染矢君、普段はそんな口調なの?」
「あっ」
石川君に大輝を紹介し、初めはなんとなくギクシャクした感じだった場も食事が進むにつれそれなりに和んできた頃、
突然、石川君にそんな事を聞かれ2人がいるのでつい、いつもの口調で話してしまっていたことに気がついた。
「普段というか、俺と桐原の前ではその口調だな」
「そうなんだ。じゃあ俺の前ではやっぱり気を使ってた?」
「石川君に気を使うというか・・・・外ではいつもの口調なんだけど2人の前ではつい、昔の口調に戻ってしまうみたい」
「俺も蒼介さんもそっちに慣れてるし、俺なんかはそれ以外の口調の方が違和感を感じる」
大輝の言葉に蒼介さんも笑いながら頷く。
「まぁ、真妃が話しやすい方でいいじゃないか。石川君も気にしないだろうし。なぁ、石川君?」
「はい!気にしません!っていうか俺的にも染矢君はそっちの方がしっくりくる」
「しっくりって・・・・」
蒼介さんに話を振られて嬉しそうな石川君の言葉に思わず苦笑いがでる。
「真妃も気にせずに話せる友達が増えて良かったじゃないか」
蒼介さんが大輝をチラッと見ながら言うと大輝はちょっと面白くなさそうな顔をして口を開いた。
「俺としては真妃の可愛いところは俺だけが知ってればいいっていうのが本音だけどな」
「お前、相変わらずだな・・・・」
呆れた表情と口調で言う蒼介さんに相変わらずキラキラとしている目で石川君が聞いた。
「え?染矢君と桐原君ってやっぱり友人じゃなくて恋人なんですか?」
「石川君・・・・君って意外とストレートに聞いてくるんだね」
「えっと・・・・俺、バイなんですよね。だからそういうのに偏見も無いし。2人を見てたらそうなのかなぁって思って」
その言葉に大輝が軽く溜息をつく。
「真妃、悪い。蒼介さんがいるからつい、気が抜けてた」
「いいよ。どのみち、石川君には時機をみて話そうと思ってたし」
「桐原。一応、友人らしく振舞えてたぞ。最初は」
「最初はって・・・・最初だけですか?」
「初めは良かったんだけどな。段々、普段のお前達が見えてきた」
僕と大輝は思わず顔を見合わせ、首を傾げた。
「普段の僕達?」
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