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季節シリーズ



それからも大輝は事あるごとに「好きだ」「付き合おう」と言ってきた。

それに対する僕の返事も決まって「君に好きになってもらえるような人間じゃない」というものだった。


ある日、人があまり来ない渡り廊下で蒼介さんと作家の情報を交換しているところに大輝が現れた。

「なんだ。俺の告白が受けてもらえなかったのは恋人が居たからか」

そう言う大輝の眼は今まで見た事がないくらい冷たいもので、思わず身体が竦んだ。

「恋人がいるならいるとハッキリ言えば良かっただろ。何が“君に好きになってもらえるような人間じゃない”だ。
 人をバカにするのもいい加減にしろ!」

「お前が桐原か」

「それがどうした」

蒼介さんが話しかけると睨みつけながら大輝が答える。

「俺は3年の清水だ。真妃と俺はただの友人だ。勘違いするな」

「ハッ、名前を呼び捨てにしてるくせに・・」

「お前だって呼び捨てにする友人なんか沢山いるだろう?」

“何を言ってるんだ”と言外に呆れを滲ませながら発せられた蒼介さんの言葉に大輝はウっっと詰まったような声をあげた。

「お前の事は真妃からよく聞かされている」

「えっ?」

「そ、蒼介さん!」

慌てて止めようとしても蒼介さんは知らん顔をし、大輝は僕の方を真剣な顔で見つめてくる。

「お前に聞いてからこいつのことを観察してたけど告白してから遊び相手とは手を切ったみたいだぞ」

「そうなの?」

「何でそれを!?」

驚いている僕と今度は慌てている大輝を面白そうにみながら蒼介さんは続けた。

「真妃、お前の怖がる気持ちも判っているつもりだ。けど、本当の気持ちはどうなんだ? 」

「本当の気持ち・・」




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